チェルシー上層部で内紛が発生? 共同オーナーが互いに買収を検討か
チェルシーの共同オーナーが互いの買収を検討しているようだ。7日、イギリス紙『テレグラフ』やイギリスメディア『BBC』などが伝えている。 チェルシーは2003年からロシア人オーナーのロマン・アブラモヴィッチ氏によって所有されてきた。しかし、ロシア・ウクライナ情勢の影響に鑑み、同氏は2022年3月2日にクラブ売却の意思を表明。トッド・ベーリー氏ら投資家グループとクリアレイク・キャピタルのコンソーシアムが25億ポンド(約4673億円)でクラブ株式を購入し、追加で17億5000万ポンド(約3273億円)を投資することが発表されていた。 これまで移籍市場では積極的な補強を繰り返し、選手を大きく入れ替えたほか、上層部の人員も大きく入れ替えて新たなチームを作ってきたチェルシーだが、現在会長を務めているベーリー氏ら側とクリアレイク・キャピタル側で亀裂が発生してしまっているという。 クラブ株式の38.5パーセントを保有しているベーリー氏らは20~30年のビジョンを持っていると言われているが、クラブ買収当時からの目標である新スタジアムの建設案が停滞していることやクラブの方向性をめぐり、クリアレイク・キャピタル側の共同創設者であるベハダ・エグバリ氏らと意見の相違がある模様で、徐々に権力を失っている状況のベーリー氏らは25億ポンド(約4673億円)を用意してクリアレイク・キャピタルの持つ株式の買収に関心を示していることが報じられている。 しかし、クラブ株式の61.5パーセントを保有しているクリアレイク・キャピタルとしては今後10年間はクラブにとどまるつもりで、売却には一切興味がなく、逆にベーリー氏らが株式を手放すならば、それを購入する意思も示している模様で、お互いに買収する姿勢を見せる異例の展開になっているようだ。なお、両者の株式が売りに出された場合、両者には同等の権利とブロッキングオプションがあることも明らかになっている。 さらに、イギリスメディア『GIVEMESPORT』でスポーツジャーナリストを務めるベン・ジェイコブス氏によると、両者の意見の相違があった点について、ベーリー氏は自主性を持ったスポーツディレクター(SD)を1人置いて自分はあまり関与しないことを望んでいるが、エグバリ氏はこれに反対している模様で、2人のSDが自分に従属して自分も直接関与し続ける現体制の継続を望んでいるという。 また、ベーリー氏らは安定性を重視し、マウリシオ・ポチェッティーノ前監督の続投を支持していたが、エグバリ氏ら側が組織に適合しなかったことから去る必要性を感じていたことなども伝えられており、現時点ではプロフェッショナルな関係が続いているものの、買収当時ほど綿密に連絡を取り合ってはないことなども指摘されている。 クラブが買収された時の合意の一環で、会長は5年ごとに交代することになっているため、ベーリー氏は2027年に会長を退任する予定となっており、同氏は本格的な内戦を避けるために解決策を見つける必要があると考えているようだが、果たしてこの問題はどのような結末を迎えるのだろうか。
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