なぜ井岡一翔は「真の4階級王者を証明する戦い」と語ったのか…7.13東京でニエテスと3年半ぶり再戦…大晦日にロマゴン戦熱望
ニエテスは、マネージメントの問題などで、井岡戦以降、しばらくリングに上がることができなかったが、勢いのある新興プロモーション会社「プロべラム」と契約して昨年4月に復活。判定でWBOインターナショナルスーパーフライ級王座を獲得し、12月にはノルベルト・ヒメネス(ドミニカ共和国)と対戦し、ドロー判定で初防衛に成功してランキング1位に浮上した。 あれから3年半が経過して、ニエテスは40歳となったが、「(2試合の)映像は軽く流して雰囲気だけを見た」という井岡は、こんな印象を語る。 「戦った彼の特徴やスタイルから、年齢を重ねたり、体が衰えてもスタイルに影響するボクシングじゃない。見せ場を作り相手の力を利用して戦う選手。あまり試合をやっていないといえ感覚に衰えはない。体力に頼ったパワー、パフォーマンスの選手には衰えが訪れるが、彼の場合は衰えに期待はしていない」 村田諒太(帝拳)を倒してWBAスーパー、IBF世界ミドル級の2冠王者となったゲンナジー・ゴロフキン(カザフスタン)が40歳で、WBAスーパー、IBF世界同級王者の井上尚弥(大橋)と、この7日に再戦するWBC同級王者のノニト・ドネア(フィリピン)も39歳。 しかも、井岡が考えるように、ニエテスは「つかみどころのないボクシング」で、幻惑してくるスタイル。強弱をつけ、至近距離では強打してくるが、遠い距離では、ステップと体の柔軟性を生かしたディフェンス重視のスタイルで、それほどスタミナの消費もない。3年半前と、そう変わらぬニエテスがリングに立つと考えておいた方がいいだろう。 前回の対戦では、ニエテスのインファイトでのフック、アッパーの強打がジャッジに支持された。井岡は、左ジャブを軸に手数はあったが、ニエテスは遠い距離の攻撃をうまくいなして、井岡が得意のカウンターをお見舞いする機会もほぼなかった。 井岡は、その敗戦を「打ち合うか打ち合わないか、今動くか動かないか、いなすなら、いなすの判断が若干中途半端になった。だから打ち合いになっても打ち負けている見られ方をしたんじゃないか」と分析。そこから勝利のイメージを導きだした。 「基本的な戦い方のベースとして左のリードを突いて崩していくことは変わらない。あれから濃い時間を積み重ねてきた。その感覚とイメージを組み合わせて、判断だったりパフォーマンスの部分でやっていけば、噛み合って、打ち合っても、動いても勝てる。ニエテスはごまかしがうまい。パンチを外す位置もうまい、そこでごまかされないようにしたい。白黒はっきりつけるチャンスなので明確に誰がみても井岡が勝ったなという試合をする」 海外からの入国が緩和されたため、今回は米国在住のイスマエル・サラストレーナーの招聘も検討しているという。サラスの得意分野はインファイト。来日が実現すれば、ニエテス対策に最強の援軍となるだろう。