なぜ井岡一翔は「真の4階級王者を証明する戦い」と語ったのか…7.13東京でニエテスと3年半ぶり再戦…大晦日にロマゴン戦熱望
4階級制覇王者でWBO世界スーパーフライ級王者の井岡一翔(33、志成)が7月13日、大田区総合体育館で同級1位で元4階級制覇王者のドニー・ニエテス(40、フィリピン)と指名試合を行うことが2日、都内で発表された。両者は2018年の大晦日にマカオで同王座の決定戦で対戦したが、井岡が1-2の判定で黒星を喫していた。立場を変えての4年越しのリベンジマッチとなるわけだが、「真の4階級制覇王者はどちらかを証明する」と決意を語った。そして次に“大晦日決戦”の相手として熱望するのがWBC世界同級ダイヤモンド王者、ローマン・ゴンサレス(34、ニカラグア)だ。
「敗戦から始まった物語に終止符を打ちたい」
これも何かの運命なのだろう。 本来ならば年末にオミクロン株の影響で流れたIBF同級王者のジェルウィン・アンカハス(フィリピン)と統一戦のリングで拳を交えるところだった。だが、その絶対王者が2月に同級11位のフェルナンド・マルティネス(アルゼンチン)にまさかの敗戦。アンカハスの勝利を条件に内定していた統一戦は白紙となり、統一戦であれば、ずらすことができた指名試合をWBOから命じられた。それも相手は、4年前の大晦日にプロで2敗目を喫したニエテスである。 「この再戦でどちらが真のチャンピオンかを証明する試合になる。4階級制覇同士。どちらが強いのか、どちらが4階級の真のチャンピオンかを証明したい。あの試合に関しては負けがついた。現実を受け入れて前へ進んだが、内容で劣っているとは思っていなかった」 井岡のモチベーションは高い。 2018年の大晦日に遠くマカオの地で、勝った方が4階級制覇王者となるWBO世界同級王座決定戦に望んだが、両者共に、決定打に欠き、1-2の僅差判定で敗れた。 翌年に井岡はニエテスが防衛せずに返上したタイトルをアストン・パリクテ(フィリピン)と王座決定戦で争い、10回TKOで日本人初の4階級制覇を達成した。その後、3階級制覇王者、田中恒成(畑中)を8回TKOで退け、この試合が年間最高試合に選ばれるなど、円熟の井岡時代を確立した。すべての原点は、そのニエテス戦の敗戦にあったという。 「あのマカオで負けた日から始まって今がある。敗戦を過去の自分を超えるためにも、あそこから始まったストーリーにしっかり終止符を打ちたい。敗戦から凄く学ぶこともあったし、一度引退して復帰してから初の敗戦だったので、はい上がる気持ちとか、あの負けは自分の中で大きな原動力になっている」 あの敗戦後、自分と向き合う時間が長くなり、精神面や技術面を徹底的に突き詰めた。 「考えること、悩むことが人としての成長につながった」