箱根駅伝展望、国学院大の三冠なるか 駒澤大と青山学院大の巻き返しは エース復活や山での戦いがカギ
11月3日に全日本大学駅伝が行われ、国学院大が初優勝を飾った。これで10月の出雲駅伝に続く「二冠」を達成。いよいよ「大学三大駅伝」の最後にして最注目のレースとなる箱根駅伝(2025年1月2、3日)を残すのみとなった。果たして「三冠」達成なるか。それとも、駒澤大、青山学院大の巻き返しはあるのか。 【写真】“普通のOL”から日本を代表するランナーへ 異色の経歴で人気博したのはこの人 強かった。1カ月前の出雲で5年ぶり2度目の優勝を飾った国学院大は、スローペースとなった1区で嘉数純平(3年)が2位スタートを切った後、2区・青木瑠郁(3年)、3区・辻原輝(2年)、4区・高山豪起(3年)が粘りの走り。この時点でトップの青山学院大と1分27秒差をつけられての3位だったが、5区の野中恒亨(2年)が区間賞、6区の山本歩夢(4年)が区間新の走りで一気に4秒差にまで肉薄する。7区でエースの平林清澄(4年)が青山学院大の太田蒼生(4年)とのデッドヒートの末に2位のまま襷を渡すことになったが、アンカー・8区の上原琉翔(3年)が力強い走りで青山学院大の塩出翔太(3年)を振り切り、トップでゴールテープを切った。 出雲ではアンカー勝負を制した平林の勝負強さが光ったが、この全日本ではチーム全体の総合力の高さを際立った。各選手が大崩れすることなく、その走りっぷりからは、自分たちの実力、練習量に対する自信、そして「歴史を変える挑戦」というスローガンを体現しようとする気迫が、ひしひしと伝わってきた。エース・平林の力に頼ることなくレースを制した意味は大きく、2カ月後の箱根駅伝に向けても大きな追い風になる。 ただ、箱根には「山」がある。総合5位に終わった前回の箱根では、山登りの5区で上原(当時2年)が区間17位、下りの6区では後村光星(当時1年)が区間10位と苦しんだ。この箱根の「山」をどう乗り切るか。前田康弘監督が誰を起用するのか。山の特殊区間をともに5位以内でまとめることができれば悲願の箱根初優勝と「三冠」が見えてくるが、そう簡単なものでもない。