中日の助っ人野手にブレーク候補 他球団から「過小評価されている」指摘が
打撃で対応力が上昇
球団史上初の2年連続最下位に沈んだ中日は今オフ、積極的な補強に動いている。打点王を3度獲得した実績を持つ中田翔の獲得に成功。中島宏之、上林誠知、山本泰寛、板山祐太郎も加入した。 【選手データ】オルランド・カリステ プロフィール・通算成績 打撃に定評がある選手たちを獲得したことを意味するのは、打線強化だ。今年の390得点はリーグワースト。今年に限らず、低迷期が続いている要因は貧打によるところが大きい。現役ドラフトでDeNAから昨オフに加入した細川成也が打率.253、24本塁打、78打点と期待以上の成績を残したように、新加入選手の活躍は大きなプラスアルファをもたらす。各ポジションで熾烈なレギュラー争いが予想される中、来季の活躍が楽しみな選手がいる。来日2年目を迎えるオルランド・カリステだ。 今季は開幕一軍入りも打撃が通用せず、5月3日に登録抹消。3カ月半の間ファーム暮らしが続いたが、8月22日に一軍昇格すると成長の跡を見せた。9月以降は遊撃の定位置をつかみ、47試合出場で打率.233、5本塁打、13打点をマーク。8月の一軍昇格以降の成績では打率.260と日本の投手への対応力が上がっている。 他球団のスコアラーは、「春先は変化球にまったく対応できていなかったが、スイングの軌道やタイミングの取り方を修正したことで別人のように変わった。甘く入ると一発があるし、遊撃の守備も龍空のような派手さはないがきっちりさばく。中日が低迷したことも影響し、過小評価されている気がする。攻守でまだまだ発展途上の選手だが、この1年でグッと伸びた感じがする。遊撃で試合に出続けて打率.280、15本塁打を残せば十分に合格点を与えられますし、その可能性を十分に秘めている選手だと思います」と指摘する。
ひしめくライバル
今季の中日は中軸で期待されたアリスティデス・アキーノ、ソイロ・アルモンテが結果を残せずに退団。同じ新外国人選手でもカリステは内野のバックアップ要員という触れ込みで、年俸3000万円と格安だった。日本で成功したいというハングリー精神は誰よりも強い。昨オフにメキシカンリーグを視察した立浪和義監督に中日に入団したい思いを直訴し、入団会見で「投手もやれと言われれば準備します」と貪欲な姿勢を見せていた。 夏場以降の活躍を評価されて来季の契約を勝ち取ったが、レギュラーを保証されている立場ではない。二遊間は龍空、村松開人、福永裕基、石垣雅海とライバルがひしめく。今年3月に右肩を脱臼して一軍デビューが来季以降となった田中幹也のほか、ドラフト2位の津田啓史(三菱重工East)、3位の辻本倫太郎(仙台大)と即戦力の遊撃が加入した。カリステ自身は置かれている立場を理解しているだろう。来季はさらなる活躍が求められる。