ついに習近平が「軍粛清の本番開始」を宣言…!腐敗問題の「絶望的な根深さ」強調の重要講話の中身と毛沢東への道
延安で「反腐敗闘争展開」の意思表明
6月17日から19日までの3日間、中国共産党中央軍事委員会が陝西省延安市において「全軍政治工作会議」を開き、習近平主席以下、軍事委員会副主席・委員全員、そして各戦区、各軍種の責任者が出席した。会議中には案の定、習主席は「重要講話」を行った。 【写真】「解放軍の歌姫」…習近平の第一夫人の「素顔」 会議の中身以前の問題として、このような会議の開催自体はまず、大いに注目すべき出来事だ。中国軍最高統帥部と各戦区・軍種の司令官達が北京にある軍の中枢と各地の軍事拠点を3日以上に留守にして延安という地方都市に集まって会議するのはやはり尋常のことではない。習主席にとっては、それはたいへん重要な会議であることが分かる。 実際、20日付の人民日報一面トップの発表では、会議の開催が「習近平主席の自らの意思決定によるもの」というから、会議にかけた習主席の意気込みが並ならぬものである。 それなら習主席はこの会議でどのような話をしたのか。前述の人民日報1面の公式記事によると、習主席はその「重要講話」においてはまず、中国軍がイデオロギー・規律などの面で「根深い問題」を抱えていると述べ、軍の直面する状況が「複雑で入り込んでいる」と指摘した。 習主席が軍事委員会主席になってからすでに11年以上が経った。今更、主席自身が軍の現状について上述のような厳しい認識したことはまず驚いた。それは結局、自分自身による軍の掌握・管理がかなり失敗していることを半ば認めてしまうことになる。だが、それでも習主席があえてこのような厳しい現状認識を示して見せたのは当然、軍に対する引き締め強化への決意を示し、それを正当化するためであろう。 その中で習主席が特に強調しているのは軍の腐敗問題である。「軍は腐敗分子の隠れ家になってはならない」と、「新たなタイプの汚職や隠れた汚職を処罰するための手段を充実させる」とした上で、軍における新たな「反腐敗闘争」の展開を表明した。つまり、習主席が全軍の主要幹部を延安に集めて3日間の長時間の会議を開いた最大の目的は、軍におけるさらなる「反腐敗闘争展開」の意思表明のためだったのである。