越前大野城の防御策をお城ファンが身をもって体験…福井県の山城見学会第2弾 学芸員が解説しながら案内
学芸員と福井県大野市の越前大野城やかつての城下町の跡をたどる催しが9月21日、同市内で開かれた。県内外からお城ファンら12人が参加し、敵の侵攻を防ぐために要所で工夫が凝らされた山城跡などを見て回った。 10月に福井市で開かれる「越前若狭お城フェス2024」に合わせ、「ふくい城巡りプロジェクト」が開く県内各地の山城見学会の第2弾。市教委の田中孝志指導学芸員が案内した。 大野城は、今年生誕500周年の戦国武将金森長近が亀山山頂に築いた。参加者は現在広場として整備されている「曲輪」や、尾根をV字に削った「堀切」を見学。本丸に攻め入る敵を足止めするための本丸城門跡も紹介された。 天守への出入り口である「虎口」には、重装備の敵を疲弊させるための急勾配な石段が整備され、上った参加者は「なかなかきつい」と一息。敵の数の把握や狙撃時に役立つ踊り場部分もあり、田中さんは「大野城はポイントごとに必要最低限の設備を整え侵入に備えていた」と説明した。 このほか、御清水や城郭への出入り口の「大手門跡」などを巡った。石川県の男児(11)は「虎口の踊り場を上から見ると人が丸見えなのが面白かった。大野城を突破するのは難しそう」と話していた。
福井新聞社