世界初挑戦の京口紘人が辰吉伝説の2試合を再現してベルトを獲る!
大阪帝拳時代には、よく辰吉から、その独特の人生論を聞かされた。 「世界チャンピオンにいつかなりたい、と思っていたら、いつまでたってもなれん。世界チャンピオンになりたいやなくて、なるんやと思い、練習せなあかん」 「その言葉を聞かされ、なるんやと思ってやってきた。世界チャンピオンは小さい頃からの夢。なった瞬間? ジョーちゃんも、井上尚弥も、リングにうつぶせになって倒れこみましたよね。僕は、どう表現するんやろ。想像もつかへん」 その辰吉には、「世界王者になるまで連絡をしない」と、あえて連絡はとっていない。「いつ試合があるんや?」と聞かれたが、当日、辰吉がリングサイドに来るか、来ないかも知らないという。 王者のアルグメドは、23戦19勝(11KO)3敗1分けの成績。2015年大晦日に高山勝成から負傷判定で王座を奪い、その後、2度防衛に成功しているが、型にはまらない荒っぽいボクシングスタイルのワリにはパンチ力に欠け、ディフェンスに不安のある京口が、そこを持ち前の破壊力でカバーして、王者のゴチャゴチャペースに巻き込まれなければ、十二分にKOで戴冠するチャンスはあるだろう。辰吉が、初の世界王者となったのが、当時の世界最速記録となるプロ8戦目(現在の最速記録は、田中恒成の5戦目)。奇しくも、京口も同じプロ8戦目での世界初挑戦となる。