親がスマホを「見れば見るほど」子どももスマホに"強く依存"、新研究で明らかに。受験や成績にも大ダメージか
子どものスクリーンタイム(ゲームやスマホなどの画面を見ている時間)は、睡眠や発育などに影響すると、よく問題視されているが、先日新たな研究で、“親のスクリーンタイム”も子どもの精神衛生に影響を与えることが明らかとなった。 【写真】親のメンタルヘルス問題が急増中...!子育てで頻繁に起こりえる「燃え尽き症候群」について
親のスクリーンタイムが子どもに与える影響
YouTubeをはじめとする動画サービスやアプリなど、子どもをあやすためのひとつのツールとなったスマホやタブレット。子どものスクリーンタイムを気にする親はいるものの、親自身のスクリーンタイムも子どもに悪影響を与えているよう。 エストニア心理学研究所は、5歳以下の子どもがいる400以上の家庭を対象に、親がスマホ、PC、タブレット、テレビを絶え間なく使用することによる悪影響を調査。『NEW YORK POST』によると、同調査の報告書の中で「親のテクノリファレンス(スクリーン機器の使用により、親子間の対面での交流が定期的に妨げられること)は、子どものメンタルヘルス、家族関係、子どもの認知発達に影響を与える」と指摘されているとのこと。 子どもは親のデバイス依存を真似する傾向があることも判明し、親がスマホなどの画面に夢中になればなるほど、子どもも夢中になってしまうのだそう。また、収集したデータをもとに子どもたちの言語発達について調べたところ、スクリーンを楽しむ時間が短い子どもは、文法と語彙の両方で高い成績を収めていることが明らかに。 多くの文化では、子どもの言語発達のほとんどは大人と会話することで起こり、そこから語彙や文の構造に触れることになるという。そのため、スクリーンタイムが長くなると、家族の対面での会話や、言語発達に不可欠な他の言語豊かな体験の機会が減る可能性が高いとのこと。また親のデバイス依存によっても、子どもの言語発達能力を損なっているという。
スクリーンタイムを短くするための取り組み
2019年にWHO(世界保健機関)は、5歳以下の子どものデジタル機器の使用時間を1日1時間以内に、1歳以下の子どもの使用時間を毎日ゼロにすることを推奨するガイドラインを発表。 9月初めには、スウェーデンの公衆衛生局が2歳未満の子どもたちのスクリーン使用を禁止することを提案し、さらに2歳から5歳の子どものスクリーン使用は最大1時間、6歳から12歳の子どもは最大2時間、13歳から18歳は最大3時間までにすべきだと述べている。 同局は「デジタル機器へのアクセスが子どもの睡眠不足や精神衛生上の問題を引き起こす」と主張した。 「私たちはあまりにも長い間、画面やアプリに時間と気を奪われ、健康になるために必要なものを犠牲にしてきました。またデジタルメディアの使用は、睡眠の悪化やうつ病の症状など、健康に悪影響を及ぼすことが明らかになっています。これらの年齢に応じた勧告により、子どもや若者、両親、その他の養育者にとって、スクリーンやデジタルメディアをより健全かつ意識的に、責任を持って使用するための重要なサポートとなるでしょう」
Harper's BAZAAR JP