県警情報漏えい 前刑事部長名かたり文書送付「名誉害し極めて悪質」…委員会審査で県警幹部、公益通報を改めて否定 百条委設置求める陳情は継続審査に 鹿児島県議会
鹿児島県警は2日、国家公務員法(守秘義務)違反の罪で起訴された、前生活安全部長の男(61)が、漏えい先とされる記者以外にも前刑事部長の名前を使って文書を送付していたことについて、「前刑事部長の名誉を害し、悪質性が極めて高く、公益通報ではない」と判断していることを明らかにした。 県警の不祥事再発防止策の取り組みを調べる、県議会総務警察委員会(西村協委員長)の特定調査が同日あり、県警側が回答した。 県警は、被告が送った文書を送付先から入手していると説明。その上で、文書の内容や送付先については、証拠に関わり、公判を控えていることなどを理由に明らかにしなかったものの、「公益通報には当たらない」と明言した。 委員会では、不祥事対策のため9月補正予算案に約115万円を盛り込む議案など、3件を可決した。 県警の不祥事を受けて、組織の抜本的な改革を求める陳情22件を一括して審査。「県警に改革は当然求められている」とした上で、「証拠隠滅があるといった、必ずしも事実とは限らない内容を前提としている」ことなどを理由に、賛成少数で不採択とした。
特定調査は委員外議員も質疑を予定している。質問者が多いため、予備日の3日も開く。西村委員長は「引き続き再発防止に向けた議論を深めていきたい」と話した。 ◇百条委陳情継続審査に 県議会議運 鹿児島県議会は2日、議会運営委員会を開き、鹿児島県警の相次ぐ不祥事を巡る調査特別委員会(百条委員会)設置を求める陳情を継続審査とした。自民と公明の賛成多数で決まった。 議運のメンバーは14人。委員長と欠席1人を除く12人が採決に加わり、県民連合の委員2人は継続審査に同意しなかった。 陳情とは別に設置を求める決議案を提出している県民連合の福司山宣介議員は「司法権に関する調査に懸念を持っている人もいるため決議案から除いた」と陳情の採択も呼びかけた。 自民の西高悟議員は「常任委で引き続き審査するのが現在の党の判断。状況次第で百条委設置もあり得る」と継続審査を求めた。 陳情は9月に22件提出された。ほとんどが同じ構成。第1項で百条委設置、第2項で県警組織の抜本的改革を求めている。百条委設置は議運、組織改革は総務警察委の所管のため、県議会は分割して審査した。
総務警察委で不採択となった第2項と共に、本会議では9日に採決する予定。
南日本新聞 | 鹿児島