「想像の範囲内」会社更生法の適用を申請した信販会社エヌシーガイドショップ 加盟店は混乱なく冷静に受け止めた
鹿児島市の信販会社エヌシーガイドショップ(NC)が会社更生法で経営再建する方針が明らかになった19日、県内の加盟店で目立った混乱はなく、関係者は冷静に受け止めた。「別会社への事業譲渡後も会員特典は続けて」「説明をしっかりして」との声も上がった。 【写真】会社更生法の適用を申請をしたエヌシーガイドショップの本社ビル=12日、鹿児島市東千石町
同市のマルヤガーデンズは、NCと提携して自社カードを発行しており会員数は約3万6000人に上る。広報室の松見千種室長(51)は「カード事業は顧客獲得のための大きな柱。会員に影響がないとの報道に安堵〔あんど〕している」と話す。 マルヤでは、NCがこれまで実施してきた年2回の「1割還元セール」に加え、「館内利用ならポイント2倍」「6回払いまで分割手数料無料」などマルヤ独自の特典を展開している。松見室長は「会員に不利益が生じることは避けたい。事業譲渡後も今の特典は維持できるようにしてもらいたい」と要望した。 マルヤ同様に提携カードを発行している別の加盟店担当者は「いつもは年2回ある1割還元セールが今年はまだ1回。気になっていた」と漏らす。会社更生法申請に関する連絡はまだないが、「これまで通り頑張ってほしい」。 同市の眼鏡販売店の社長は「周りからいろいろな声を聞いていた。想像の範囲内」と冷静だ。同社では1割還元セールの実施月は通常の約25倍のカード利用があるという。ただ近年キャッシュレス決済の普及でクレジットカード全体の利用が減少しており、「NCを使うのは還元時だけという客が多かった」と明かす。
NCは今年から不正利用対策のため、事業譲渡する予定のNCカード(北海道帯広市)のシステムに一部顧客を移行。カードを再発行していた。鹿児島市で衣料品店を営む70代女性は、客からカードが切り替わったと知らされたという。「まずは加盟店に一言報告があるべき。今回の件もきちんと説明して」と求める。 NCは18日夕、東京地裁に会社更生法の適用を申請した。確定負債額は約54億円。田中信一郎社長(61)は「加盟店や会員、取引先に影響がないよう進める」としている。
南日本新聞 | 鹿児島
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