南海・浜寺公園駅舎109年の歴史に幕、国の登録有形文化財
南海・浜寺公園駅舎109年の歴史に幕 地元民「おおきに」 THEPAGE大阪
現役の駅舎として国内でも最古級の木造駅舎とされる南海本線の浜寺公園駅(大阪府堺市西区)が28日未明の最終列車発車で、この駅舎での営業を終了する。1907年(明治40年)に建てられ、多くの乗降客を見守ってきた駅舎との別れを前に、多くの地元住民らが最後の雄姿を見守っていた。
新駅舎では「エントランス」に
堺市などによると、この駅舎は東京駅の赤レンガ駅舎などを手がけた建築家である辰野金吾氏の事務所の設計だという。現役の木造駅舎としては国内最古級で、1998年に国の登録有形文化財に登録されている。 今回、南海本線の連続立体交差事業により新駅舎が建設されるため、その長い歴史に幕を下ろすことになった。だが、2028年に完成が予定されている新駅舎の「エントランス」として使われる。
浜寺のプールへはこの駅を利用してた
27日午後4時ごろ、同駅周辺を訪ねると多くの地元の人や鉄道ファンらが駆けつけ、駅舎を写真撮影している姿がみられた。 地元に住む30代の主婦は「子供の時から変わらない駅で。正直、古い駅って思ってたけど、いま大人になってその良さがわかってきた気がする。再利用されるときいてホッとしている。浜寺公園駅おおきにって感じですね」と話し、子供と記念撮影をしていた。 大阪市内から来たという30代の会社員は「仕事で堺に来たんですが、テレビのニュースできょうでこの駅舎が最後と知り、強引に寄り道しました。泉州国際市民マラソンに出た時とか、浜寺のプールへはこの駅を利用して行ったので思い出があります。残念ですがこの姿を残しときます。けど、会社には内緒ですけど(苦笑)」と話し、夢中でシャッターを切っていた。