徐々に視覚機能が低下…「ロービジョン」を知っていますか?見えづらいと感じたら
突然見えなくなり引きこもりがちに…支援の重要性訴え
盲学校が「みんなの目の相談所」を目指す理由。それは… 丸山さん: 「目が見えなくなって、盲学校に入るまでの期間、自分は家の中で引きこもりがち、全く外にも出ずに自分の目の病気と向き合うのにかなり時間がかかってしまって」 和田さん: 「5~6年半引きこもりみたいな感じだった」 菰田さん: 「勤めてた会社も仕事できなくなって、2年間くらい休職して家でずっと『どうしようか』と考えてたんです」 見えづらくなった、その先の生活を一緒に考えたいからです。
視覚障害が原因で生活に支障をきたしている人の支援を行う、ロービジョンケアの専門医宇田医師もその重要性を訴えます。 いしづち眼科 宇田高広医師: 「最初は皆さん突然見えなくなると喪失感、受け入れられない状態が続きます。そこで情報を得られないと5年間くらい引きこもってしまうような状態で、時間だけ過ぎてしまうというデータもあります。例えば整形外科とかだとリハビリがあって、そのままつながっていくんです。けれども、眼科の場合はそれがなかったんですね。見えなくなったら終わりというか治療法ないから、となってたんですけど」
宇田医師は、11年前に「みきゃん愛ネットワーク」を立ち上げ、県内の教育機関や、病院の関係者などと情報共有し、見えづらさを抱える人の支援につなげるための活動を展開しています。 いまは、春から県内の眼科などで患者に手渡してもらうための新たなパンフレットを制作しています。 宇田医師: 「とりこぼしなく、切れ目なく医療から福祉、教育の方につなげられたらいいなと思います」
いま、見え方に悩んでいるあなたへ。理療科で学ぶ皆さんが伝えたいことは。 専攻科理療科 3年 松浦佑美さん(24): 「今は自分ひとり孤独を感じられてる方も多いと思うんですけど、学校に入学してから病気、見え方は違うんですけど同じ視覚に障害がある仲間ができるので、孤独感はなくなって救われる面はあると思います」 本科保健理療科 1年 和田由希子さん(55): 「盲学校もそうですし、視聴覚福祉センターとか、助けてくださるところはありますので、まずは気軽に相談に来られたらいいのではないかなと思いますね」 専攻科理療科3年 丸山颯人さん(25): 「勉強をしていって資格をとろうというのが第一目標であったのに、普段の寮や学校内でのたくさんの人とのふれあいの方に楽しみを見いだせるようになってくるというのもよさだと思うので、いまはそれがすごく大きいですね、自分の中で」 本科保健理療科 2年 菰田雅人さん(51): 「自分で移動もできないし、読み書きもできなくなってしまうんで、そんな中で一歩踏み出して学校の教育相談に電話して、生活指導の先生が対応してくれたおかげで今があると思うので、一歩踏み出したら先が広がってくるとは思う」 松山盲学校では、年齢や病気に問わず随時、見え方に関する相談を受け付けています。