徐々に視覚機能が低下…「ロービジョン」を知っていますか?見えづらいと感じたら
放課後に寮で毎日筋トレに励む丸山颯人さん、25歳。20歳の時、「レーベル遺伝性視神経症」という難病を発症しました。 専攻科理療科 3年 丸山颯人さん(25): 「今は電気などの光がなんとなく分かる程度なので、皆さんの顔の表情とか服の色味などは全然分からない状態ですね」
2年前、盲学校に入学し、「いつか自分の治療院を持つ」という夢に向けて勉強しています。 丸山さん: 「患者さんが自分の施術を受けた中で気持ちがよかった、すっきりした楽になったって意見が聞けたら自分の幸せにもつながっていくので、それを求めて頑張っています」
盲学校の技術を駆使して 見えづらさを抱える人に寄り添いたい
そんな松山盲学校でいま、熱く燃えているのが… 深井校長: 「落胆しないで一緒に将来を考えませんか?という成人向けのチラシ、今年作りました。どうでしょうか、効果は出るでしょうか…?」 今年度赴任した深井校長です。盲学校を見え方に不安を抱える人みんなの“相談所”にしようと、奮闘中です。 松山盲学校 深井千代校長: 「見え方、見えにくさは本当に千差万別。もっと本校が持っている技術、知識や知恵を県民の皆さまに使って頂けたらなと思ってます」
深井校長、まずは学校でどんなことができるのかを知ってもらおうと、自ら営業部長となってこの半年間で県内140か所以上の自治体や企業を訪問。 子供向け、成人向けに新たにチラシを作るなど、学校のPRに力を入れています。 深井校長: 「診断や診療は本校ではできませんけど、日常生活を豊かにしたり一緒に考えるということは、本校は一緒にできると思いますね。地域で困ってらっしゃる方につながりたいっていうのが、教職員みんなの思いです」
盲学校だからこそできること。例えば… 保健理療科 2年 菰田雅人さん(51): 「アイフォン、アイパッドとかも そうなんですけど、視覚障害者用の教えてくれる場所がないんです。ここ来てみて、それもひとつの目的だったんですけど」 今や生活には欠かせないパソコンやスマートフォンなどICT機器の使い方です。学校では2学期から新たに、毎週火曜日に「ICT講座」を開講し、画面表示を音声に変換するソフトなど、視覚障害があっても機器を使えるようにする道具やコツを専門の教員が伝えています。学校の生徒でなくても見えづらさがある人であれば誰でも無料で受講でき、オンラインでの指導も可能です。