鮮やかオレンジ ヤシの実鈴なり 伊東 元日配布へ準備
伊東市の伊東観光協会は25日、JR伊東駅前ロータリーにそびえるカナリーヤシの実の収穫作業を実施した。来年1月1日午前9時から、市内の観光文化施設「東海館」と伊東駅構内の観光案内所で観光客らに配布する。 カナリーヤシはカナリア諸島原産の樹木で、伊東駅が開業した1938年、雌雄1本ずつが植栽された。地元住民の間では、「夫婦(めおと)ヤシ」の愛称で親しまれる。それぞれ高さ10メートルほどに成長し、周囲に子孫のヤシも育っている。オレンジ色の小さな実を鈴なりに付け、協会職員がはしごと電動のこぎりを使って枝ごと切り落とした。 同協会によると、ヤシの実の収穫は迎春準備の伝統行事として半世紀以上続いている。毎年は実らず、2年ぶりの収穫となった。配布数は300人分で、8粒程度の実を小袋に詰め、発芽から苗木までの栽培方法を記した紙を同封する。 村田充康専務理事は「伊東を訪れる観光客に気持ちよい新年を迎えてもらいたい」と笑顔を見せた。
静岡新聞社