【かごしま この一年】衆院選に首長選 選挙イヤーを振り返る
鹿児島テレビ
シリーズでお伝えしている「鹿児島この1年」。 3回目は選挙です。 衆院選を始め、県知事選挙に鹿児島市長選挙などまさに選挙イヤーとなったこの1年を振り返ります。 8月14日 岸田文雄首相(当時) 「私は来る総裁選には出馬しません」 8月、当時の岸田総理が自民党総裁選への不出馬を表明。 いわゆる裏金問題などを受けた形でした。 新たな自民党の総裁に選ばれた石破茂さんは早々に衆議院を解散。 新総理選出から戦後最短の日程で総選挙へと突入しました。 立憲民主党・川内博史氏 「自民党の政治はほぼ限界を迎えている」 自民党・宮路拓馬氏 「古い体質の自民党を変えることができる」 裏金問題を中心に自民党に吹いた大きな逆風。 県内でも4つの小選挙区のうち、自民党が獲得できたのはわずか1議席にとどまりました。 11月17日 自民党県連・森山裕会長 「政治資金の不記載の問題が一番大きかった。鹿児島県に関係者はいないが党に対する批判が強かった」 保守王国、鹿児島が揺らいだ衆院選。 しかし国政選挙とは対照的に、相次いだ首長選挙では「継続」が選ばれた1年でした。 塩田康一氏 「熱い思いは今も少しも変わっておりません」 鹿児島県知事選で2期目を目指して出馬した塩田さん。 その対抗馬として注目されたのはー 元自民党県議・米丸麻希子氏 「体育館は必要だと思っている。老朽化している。でもここじゃない。ドルフィンポートには最高200万人来ていた。40万人しか来ないものを造る」 ドルフィンポート跡地での体育館建設に異を唱えた、元自民党県議の米丸さんです。 保守系組織の県医師連盟が支援に回った上、無党派層の掘り起こしを狙い人気タレントのデヴィ夫人も鹿児島入りし、米丸さんへの支持を訴えました。 しかし、結果はー 自民・公明に加え、野党系の連合鹿児島からも推薦を受けるなど、盤石の体制を整えた塩田さんが、全体の6割近くの票を獲得し再選を果たしました。 塩田康一氏 「今後の4年間に向けて、しっかりと取り組んでいかなければならないという決意を新たにした」 一方で、米丸さんが反対した新たな総合体育館については入札が不調に。 今後の動向が注目されます。 県都・鹿児島市のリーダーを決める鹿児島市長選挙は、2期目を目指す現職の下鶴さんと、共産党などから支援を受ける新人の桂田さんとの一騎打ちに。 下鶴さんの選挙スタイルは4年前の前回と同様、政党の推薦を受けず住宅街に選挙カーを走らせる「草の根選挙」。 下鶴隆央氏 「この4年間、市民・職員と一丸となってコロナを乗り越え、これから来る急速な人口減少を乗り越えるための基礎を固めてきた」 一方の桂田さんは医療や介護、福祉の支援に重点を置いた政策を携えて「市民の声で動く市長」を目指して各地で訴えました。 結果は下鶴さんが8万8000票余りの大差をつけて2期目の当選。 しかし、投票率は27.21%と鹿児島市長選としては過去3番目に低い数字に。 今後に課題を残す結果となりました。 このほか県内各地の首長選挙は、いずれも現職が強さを見せました。 2月:東串良町長選 8年ぶりの選挙戦で現職が3期目の当選。 10月:薩摩川内市長選 初の無投票当選で現職が再選 11月:伊佐市長選 三つどもえの争いを制し 現職が再選 このように選挙イヤーと呼ぶにふさわしい1年だった2024年。 しかしそれは鹿児島に限った話ではありません。 東京都知事選や兵庫県知事選では選挙におけるSNSの活用にも注目が。 SNSが選挙結果に一定の影響を与えたと指摘する声もあります。 とはいえ、大切なのは選挙結果だけではありません。 自分たちが選んだ候補者は実際にどんな政策を進めるのかー 選挙が終わればおしまいではなく、当選してからの日々の動きに関心を持つ。 あらゆるメディアで情報に触れることができる今だからこそ、そんな姿勢が私たち有権者に求められているのかもしれません。
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