2日前まで避難も帰郷……輪島市19歳「新入職員」の思いを藤井キャスターが取材 「住宅解体」に市民が列 能登半島地震3か月
日テレNEWS NNN
能登半島地震から3か月。輪島市役所で辞令交付式があった1日、藤井貴彦キャスターは、自身も被災しながら地元に戻ってきた19歳の新入職員を取材。仕事ぶりを追い、思いを聞きました。市役所には、公費で住宅を解体するために住民が詰めかけていました。
■被災地から中継…手つかずの輪島朝市
藤井貴彦キャスター 「能登半島地震で甚大な被害が出た、石川・輪島市に来ています。ここは朝市通り周辺です。大規模な火災が発生し、建物約240棟が焼けました」 「ある土産店はすすだらけで、もともとの店内がどのような状況だったかも分かりません。入り口を見ると、窓ガラスがあったものと思われますが、それが全て割れて抜け落ちている状態です」 「地震発生から1日で3か月が経ちますが、焼けた建物のほとんどが手つかずのままの状態で、輪島市では3人の安否がいまだに分からないままとなっています。また石川県内では今も(2次避難含め)8109人が避難生活を余儀なくされています」 「新年度を迎えた1日、市役所勤務を始めた輪島市出身の19歳の男性を取材しました。2日前まで避難生活をしていて、自身も被災者でありながら地元のために働く一歩を踏み出した、その思いを聞きました」
■入庁初日も「動きやすい格好」で
藤井キャスターが訪ねたのは、被害が甚大だった輪島市の市役所。元日に最大震度7の地震があった午後4時10分、犠牲になった方々に祈りがささげられました。 市役所では1日午前、4月から加わる職員への辞令交付式が行われました。坂口茂市長が「輪島市職員に採用する」と、職員らに辞令を渡しました。 藤井キャスターが取材したのは大宮正晴さん(19)。税務課に配属された、社会人1年目の新人職員です。 藤井キャスター 「まずは入庁おめでとうございます」 大宮さん 「ありがとうございます」 藤井キャスター 「(執務スペースにある)この机をもらえた今の感想は?」 大宮さん 「やっと今から働けるんだな、という実感がわいてきたという感じで…」 藤井キャスター 「4月1日というと、だいたいスーツを着てデスクに座るのではと私は想像していたのですが…。(カジュアルな)格好には何か理由があるのでしょうか?」 大宮さん 「現場に行ったりということで、スーツじゃなくて動きやすい格好になっているのでは(と思います)」 入庁早々、大宮さんが向き合う仕事の1つが、被害の状況を確認し、住民に「り災証明」を出すことです。市役所には、熊本・福岡・広島の各県など各地から人が集まり、罹(り)災証明チームを構成しています。