2日前まで避難も帰郷……輪島市19歳「新入職員」の思いを藤井キャスターが取材 「住宅解体」に市民が列 能登半島地震3か月
■自宅で被災…ガラスが割れて土砂が
大宮さんも地震が起きた日、自宅で被災した1人。自宅の室内を案内してくれました。「ここは後ろから土砂が入ってきて。ガラスが2枚くらい割れ、土砂が入ってきたという感じですね」 大宮さんは「何も考えられなかったですね。急すぎて。(地震)デカかったですし。あとは、家族大丈夫かなと思って」と振り返ります。 幸い家族は無事でしたが、土砂崩れで道路が寸断され、大宮さんが住む地区は一時孤立状態になりました。その後は金沢市に避難していましたが、輪島市役所で働くため、3月30日に自宅に戻ってきました。
■珠洲市と輪島市などの7860戸で断水
大宮さんは蛇口をひねり、「(水が)出ないって感じですね」。3か月がたった今も、珠洲市と輪島市を中心に約7860戸で断水が続いています。そうした中、戻ることを決めました。 大宮さん 「そこで離れたら地元がなくなるじゃないですけど、消えていくので。それ残すために市役所入ったのもあるので、自分の好きな地元を残していきたいなとは思って」
■早速現場へ…被害の状況を丁寧に計測
1日午後、大宮さんは早速、被害を受けた家の調査へと向かいました。「あからさまな被害の所とかは写真撮ったりして…」と先輩職員から指導を受けます。この日は教わりながら、家の傾きなど被害の状況を丁寧に測っていきます。 藤井キャスター 「大切な計測だったと思います」 大宮さん 「大事な作業というのは初めての自分でも分かったので、誤差とか生まないように慎重にと思いながらやっていました」 り災証明を申請し、市に調査を依頼した住人の浜谷毅さん(52)。家の中を見せてもらうと、亀裂が多くの場所で入り、割れていました。室内の引き戸も動きません。「もう1回あんな地震が来たら(家が)潰れる不安はあります」 調査の結果、もし半壊以上と判定されれば、取り壊しを公費で行う対象となります。
■公費解体の申請開始で…多くの市民が
市役所には1日、多くの市民の姿がありました。この日から、建物の公費解体に関する申請の受け付けが始まったためです。そのブースでは、職員が「こっちに向いて倒れている?」などと、住人から被害の状況を聞き取っていました。 公費解体は、住宅の所有者に代わって行政が家を解体・撤去するものです。申請に来た深田良明さん(68)は「30年超えたくらい。自分で建てた家だからそれなりに(思いは)あります」と言います。