子宮頸がんでステージⅢ“余命1年半”を宣告…闘病の中ダンスに挑戦 笑顔で女性がステップ「来年もみんなと踊りたい」
ステージⅢの子宮頸がんが判明し、その後、“余命1年半”を宣告された女性。苦しい治療に耐えながら挑戦しているのは『ズンバダンス』です。家族や仲間に支えられて迎えた発表会。病気の判明から今に至る心境を取材しました。 【写真を見る】“余命1年半”を宣告された森田真子さん ステージでダンスを披露
『子宮頸がん』判明で手術…「そばにずっといてください」「まだまだ生きられる」息子の手紙を“お守り”に
今年5月11日、ステージの上で、特別な思いでステップを踏むダンサーがいました。大阪府高槻市に住む森田真子さん(48)です。4年前、ステージⅢの子宮頸がんが判明しました。森田は現在も3週間に1回、病院に通い、診察や治療を受けています。 がんと診断されたのは、2020年12月でした。 (森田真子さん)「それまでにずっと(不正)出血が非常に多くて、調子が悪かった」 森田さんは大学院卒業後、水道関係の大手メーカーで女性初の総合職で入社し、エンジニアとして働いていました。学生時代からの夢だった途上国の水道整備に携わるようになった頃、45歳の時に病気が分かりました。仕事で活躍する一方で、家庭では2人の息子の母でした。子宮を全て摘出する手術のとき、当時、高校生と中学生だった息子たちから手紙をもらいました。 【長男の手紙より】『これからも絶対にそばにずっといてください。もう絶対にしんどくならない体になって元気でかえってきてください』 【次男の手紙より】『まだまだ生きられるから前向きに頑張って!ママなら大丈夫や!!!』 (森田真子さん)「息子が、“まだまだ生きられるよ”と言ってくれたのはすごくうれしかった」 優しい長男と前向きな次男の言葉をお守りに、手術を乗り越えました。
『余命1年半』がん移転で宣告…治療に向き合い2年が経過
しかし1年4か月後、子宮周辺の細胞にがんが転移。森田さんを再び病魔が襲います。 (夫 真一郎さん)「再発ってなった時はショックでしたね。こういう当たり前の生活が当たり前じゃなくなっていくのかなという不安はありました」 再発が分かり、治療方針の参考になればと、セカンドオピニオンを受けるために大阪市内の病院へ。そこで、残酷な現実を突きつけられました。 (森田真子さん)「余命がだいたい1年半くらいだと言われまして。残りの時間を考えて、あまりきつい治療はせずに、生活の質を上げた状態で残りの時間を過ごすのか、よく考えてみたらどうでしょうかということを言われました」 覚悟はしていたものの、「余命1年半」という具体的な数字に言葉を失いました。主治医の田中良道医師は病気が分かってからずっと森田さんに寄り添い、治療を続けてきました。 (田中良道医師)「2年近く、抗がん剤治療、放射線治療、組織内治療をがんばっていただいている。これはなかなかできないことですね。ものすごく大変です」 余命の数字は一般的な値で、全員に当てはまるわけではないと強調します。 (田中良道医師)「(余命は)いろんな患者さんの、あくまで平均的な数値ですね。皆さんがそうなるということでは、もちろんないです」 再発から約2年。宣告された1年半の余命は超えました。明らかな腫瘍は見つかっていないといいます。 (森田真子さん)「(Q今はどのように“余命”というものを捉えていますか?)自分なりの統計をつくる。統計という言葉は、『集団の平均値』という意味ですけど、自分なりのデータを作っていきたいなと思っています」