「スーパーフォーミュラを魅力的にするためにまだまだやることはある」。就任2年目の近藤真彦JRP会長、開幕直前インタビュー!【前編】
■海外でのSFイベントの可能性は? ――3月末には電気自動車のフォーミュラEが東京都江東区にある東京ビッグサイト(東京国際展示場)周辺の市街地を舞台に開催されます。大阪も公道での開催を視野に入れてF1に興味を示しています。SFを市街地コースで実施することは考えていますか? 近藤 公道はまだ考えていませんが、日産が参戦するフォーミュラEの東京大会を見にいく予定なので、そこで様子を見てきたいと思います。 ――海外でもイベントがあれば、SFはさらに魅力的になって、海外のチームやドライバーの参戦が増えそうです。 近藤 海外はぜひやってみたい。大きなスポンサーがひとつ決まれば、可能性はないわけじゃないと思います。タイなどのアジアのサーキットに遠征してやりたいですね。夢は広がりますが、その前にまずは交流からですね。 イベント数が増えてSFがもっと魅力的になれば、アジアのドライバーやF1チームの育成ドライバーも直接F2やF1を目指すのではなく、まずはSFに参戦してからでも遅くないんじゃないのという流れになっていくと思います。 ――実際に昨年までF2に乗っていた岩佐選手は「SFのマシンはF1とF2の中間の速さ」と語っています。SFはそれだけレベルの高いマシンで争われています。 近藤 だから今年、SFのチャンピオンとしてF2に参戦している宮田莉朋(みやた・りとも)選手にはブッちぎってほしいですね。昨年、ローソン選手がF1で活躍しましたが、莉朋選手もF2で結果を出せば、SFの価値はさらに上がる。「SFのチャンピオンはこんなにすごいんだぞ」という実力を見せつけてほしい。 ――SFをビジネスとして拡大させるためには、スポンサーやメディアの存在が必要だと話されていました。昨年は決勝レースの全9戦をインターネットTVのABEMA(アベマ)で無料生中継しました。その影響は大きかったのではないですか? 近藤 そうですね。今年も全戦無料生中継しますが、若い人はアベマでレースを見てくれているようです。昨年、チャンピオン決定戦となった最終戦の鈴鹿にアベマを運営するサイバーエージェントの藤田晋社長に来ていただいたんです。僕は忙しくてご挨拶しかできなかったのですが、いろいろと見ていただいたら、「すごいことをやっているんですね」と喜んでいただきました。 「まだまだメジャーになり切れていない部分があるので一緒に盛り上げてほしい」とお願いしたら、賛同してくれたと思います。もちろんアベマだけではなく、いろんなメディアを巻き込んでいく必要があります。SFに興味を持ってくれるスポンサーも徐々に増えています。JRPの活動だけでなく、自分のチームのスポンサー活動もしなければならないので、そこは結構大変ですが、引き続き頑張っていきたいです。 後編はこちら ●近藤真彦(こんどう・まさひこ) 1964年7月19日生まれ。79年にTVドラマ『3年B組金八先生』で芸能界デビューし、以降は俳優・歌手として大活躍する。レーサーとしては84年に富士のフレッシュマンレースでデビュー。その後は全日本F3選手権を皮切りに、トップカテゴリーの全日本GT選手権やスーパーフォーミュラ(SF)の前身、全日本F3000やフォーミュラ・ニッポンにも参戦。94年には全日本GT選手権でポール・トゥ・ウインを達成する。また世界3大レースのひとつ、フランスのル・マン24時間耐久レースにも出場。2000年にレーシングチーム「KONDO RACING」を設立。現在はチームオーナー兼監督として国内最高峰のSFとスーパーGTに参戦中。昨年の4月にSFを運営する日本レースプロモーションの会長に就任。モータースポーツ活動と並行して現在は全国ツアー「KANREKI DASH M5K9 LIVE TOUR 2023-2024」を開催中。 取材・文/川原田 剛 撮影/樋口 涼(近藤氏) 写真/JRP