JFEスチールが自走式清掃ロボを開発。粉じんなど堆積物を自動収集、安全性・生産性向上
JFEスチールは18日、製鉄所の粉じん清掃作業を自動化できる自走式ロボットを開発したと発表した。人手に頼っていた製銑・製鋼エリアでの清掃作業を自動化し、現場の安全性や生産性の向上につなげる。 2024年1月から福山地区の製銑エリアで1台の運用を開始した。開発機は全長70センチ、幅40センチ、高さ40センチで、重量は30キロ。今後は製銑・製鋼エリアを中心に他工場や他地区へ導入を広げる。 開発機は「GAZMASTAR(ギャズマスター)―S」と命名した。「集じん」と「名人」を組み合わせた造語に、「標準」を表す「S」を付けた。 今後はギャズマスターシリーズとしてさらなる新機種の開発も計画。具体的には耐水性タイプや大型・小型機の実用化を目指す。 JFEは自走式ロボの開発に注力しており、23年8月に第1弾として高温現場向けの専用機を開発済み。第2弾となる今回の運用開始に合わせてブランド名も決めた。同シリーズの外販も視野に入れている。 今回の開発機はセンサーで自らの居場所を常時把握し、目標ルートに沿って清掃作業を行う。多量の粉体にタイヤがはまって走行できない状態になる「スタック」にも対応。一定の所要時間を超えた場合はスタックが発生したと自ら判断し、対象エリアから脱して次のエリアの清掃に移る。 バッテリーが一定値を下回ると自律的に充電スタンドに戻る機能も搭載。ワイヤレスで自動充電できるため、人手を介さず連続的に自動清掃が可能となる。ロボットの位置情報などは、遠隔地のタブレット端末で把握できる。