30年後にはなんと「日経平均40万円」!? あながち絵空事ではない「GDP1,000兆円時代」の日本株【解説:三井住友DSアセットマネジメント・チーフグローバルストラテジスト】
※本稿は、チーフグローバルストラテジスト・白木久史氏(三井住友DSアセットマネジメント株式会社)による寄稿です。
------------------------------------- 【目次】 1. デフレ脱却でレンジを切り上げる日本の名目GDP 2. バフェット指数から考える日本株の長期展望 3. 増益ペースから考える日本株の上昇ポテンシャル ------------------------------------- 【関連動画】エミン・ユルマズ×白木久史「日本株への投資はまだ間に合うのか!?」 岸田文雄首相は3月18日に開催された参院予算委員会で、「今後の努力で21世紀前半の名目国内総生産(GDP)1,000兆円の目標実現が視野に入る」とコメントしました。裏金問題による支持率低迷に苦しむ首相のリップサービスにも聞こえますが、ここもとの経済指標を見ていると、あながち絵空事ともいえないように思われます。株価と深い関係があるとされる名目GDPが、仮に2050年までに1,000兆円に到達した場合、日本株にはどんな影響があるのでしょうか。具体的な数字で検証してみたいと思います。
1. デフレ脱却でレンジを切り上げる日本の名目GDP
■日本のGDPの拡大が続いています。「おいおい、そんなことはないよ」とのお叱りを受けそうですが、ここで取り上げたいのは普段ニュースで報じられるインフレ調整後の「実質GDP」ではなく、インフレ調整前の「名目GDP」の推移です。昨年の中盤以降、日本の実質GDPは冴えない推移が続いています。一方、企業の売上や利益、そして株価と関係が深い「名目GDP」は順調な拡大が続いており、実質GDPとの乖離が鮮明になっています(図表1)。 ■コロナ禍からの経済再開や為替市場で進む円安ドル高が、ここもとの日本経済の堅調さの背景にあるのはご存じの通りです。そして、「名目GDP」と「実質GDP」との乖離が鮮明になってきたのは、日本でもインフレ傾向が鮮明になってきた2022年以降になります。つまり、緩やかな経済成長と適度なインフレが同時に生じることで、ここもとの名目GDPの拡大がもたらされている、と見ることが出来そうです。 <高水準の賃上げで高まる日本のデフレ脱却の可能性> ■こうした名目GDPの拡大は、今後も継続する可能性が指摘されています。連合によれば、2024年春闘の賃上げ水準(4次集計、4月18日現在)は前年比+5.20%と33年ぶりの高水準となりました。これまで日本経済は、長らく物価下落と所得低迷が連鎖する悪循環に苦しんできましたが、「賃上げ」と「物価上昇」の好循環が起こることで日本経済もようやくデフレから脱却し、世界の他の主要国と同様に名目GDPの拡大が続く「普通の国」となる可能性が高まってきました。
【関連記事】
- 【動画付き】30年後にはなんと「日経平均40万円」!? あながち絵空事ではない「GDP1,000兆円時代」の日本株【解説:三井住友DSアセットマネジメント・チーフグローバルストラテジスト】
- 日経平均、一時「1,300円以上の急落」も…日本株が大幅安となった際に落ち着いて見極めるべきポイント【解説:三井住友DSアセットマネジメント・チーフマーケットストラテジスト】
- 実は恐ろしい「日経平均7万円シナリオ」【解説:三井住友DSアセットマネジメント・チーフグローバルストラテジスト】
- 30~50代の5人に1人が「新NISAを始めました!」でも…「新NISAはやめておけ」といわれる7つの理由
- 元証券マンが告白「僕はこのやり方で負け続けました」…絶対にマネしてはいけない「4つの投資手法」