『インサイド・ヘッド2』ピート・ドクターと宮﨑駿が特別対談 鈴木敏夫のラジオで放送
現在公開中のディズニー&ピクサー最新作『インサイド・ヘッド2』で製作総指揮を務め、ピクサーのチーフ・クリエイティブ・オフィサーでもあるピート・ドクターとスタジオジブリの宮﨑駿の特別対談が実現した。 【写真】『インサイド・ヘッド2』 4週連続で先着入場者プレゼントを配布中 本作は、頭の中の感情たちを描き、第88回アカデミー賞長編アニメーション賞を受賞した『インサイド・ヘッド』の続編。どんな人の中にも広がっている“感情たち”の世界を舞台に、主人公の少女ライリーが高校入学という転機を迎え、頭の中で彼女の幸せを子供の頃か 見守るヨロコビ、カナシミ、ムカムカ、ビビリ、イカリの5つの感情たちの前に、新たに4つの大人の感情、シンパイ、イイナー、ダリィ、ハズカシが現れ、感情の嵐が巻き起こる。 現在までに本作の世界興行収入は15億2388万ドル(約2276億円)を突破。これまで No.1だった『アナと雪の女王2』の14億5368万ドルを追い越し、アニメーション映画史上世界 No.1を達成。さらに、日本でも大ヒットした『トップガン マーヴェリック』、『アベンジャーズ』を抜き世界興行収入ランキング全体でトップ10入りを果たした。 そんな本作のケルシー・マン監督、マーク・ニールセンプロデューサー、そしてアカデミー賞長編アニメーション賞を3度にわたり受賞したドクターが先日来日。以前より交流のあったスタジオジブリの宮﨑と鈴木敏夫との対談が実現した。 ピクサー・アニメーション・スタジオとスタジオジブリは1980年代頃から親交が厚く、『千と千尋の神隠し』ではピクサーがアメリカ配給版の英語吹替の監修を務め、『トイ・ストーリー3』には『となりのトトロ』のトトロがカメオ出演した。ドクターらはスタジオジブリを訪問し、手描きアニメーションを追求するスタジオジブリと、最先端技術を駆使し3DCGアニメーションで映画を制作するピクサーのそれぞれの制作現場の裏側や作品に対する想いなど、世界のトップアニメーションクリエイターの両者だからこそできる、アニメーション制作にまつわる熱い議論を交わした。 対談の中で出てきた様々なトピックのひとつが「テスト試写」について。ピクサーでは映画が完成する前に何回もテスト試写を繰り返し、様々な人の意見を取り入れて映画を作り上げていくという制作手法を取っている。ドクターが「スタジオジブリではそういうことを行いますか?」と聞くと宮﨑監督は「ないです。映画はお客さん全員が理解することは不可能です。責任を取るのは自分たちですから、そこにたまたまいた人に責任を預けるわけにはいきません」と持論を展開。するとドクターは「僕らのやり方だとテスト試写は役に立つんです。製作途中なのでこの部分は全然響いてない、感情を感じたいのに感じられてないということを見極められるので、調整することができるんです。確かに僕も意見を聞いている時は右から左に流すこともしますが、試写では一緒に観るんです。そうすると飽きている時や画面に観入っている時を肌で感じられるので、そのリアクションは本心だと思っています。それを観ながらなるべく多くの方に響くように調整するのが僕らの責任だと考えています」とそれぞれのアニメーション映画制作にかける信念や違いについて議論を交わした。 なお、この対談は8月4日、11日の2週に渡り、TOKYO FMのラジオ番組『鈴木敏夫のジブリ汗まみれ』にて放送される。 また、本作を鑑賞した鈴木プロデューサーからはメッセージも到着した。 鈴木敏夫 鑑賞後特別メッセージ 思春期を迎えたライリー、 その頭の中は今、どうなっているのか? 75歳のおじいちゃんには勉強になりました。 スタジオジブリ 鈴木 敏夫
リアルサウンド編集部