「103万円の壁」引き上げは?自民・国民が協議入りで合意 選択的夫婦別姓、企業・団体献金禁止…「少数与党」で政策実現どうなる?斎藤幸平さんの懸念は?【news23】
斎藤幸平さん: そうですが、ただ「ハング・パーラメント(宙づり議会)」といって、長期化すると良くないです。 なぜかというと、例えば、二大政党制でどちらも過半数が取れない場合、数合わせをするために、数%しか得票していない数議席の政党の意見が過剰に反映される結果になるかもしれない。 あるいは、その停滞状態に国民が不満を持つようになり、「これを仕切り直してしまえ」と右派ポピュリズムなどに皆が投票するようになり、過激化していく場合もあります。 あるいは、連立政権を何らかの形で組んだとしても、いま私が住んでいるドイツでは、緑の党が連立政権に入りました。元々は「脱原発」や「気候変動問題への取り組み」などを主張していましたが、連立政権に入った結果、妥協を重ねた現実路線のようになり、最終的には人気が落ちてしまう、などということが起きました。 これは国民民主党も「政権入りしない」と今は言ってますが、全体的に自民党の政策と似ている面もあるので、自民党の補完勢力みたいになってしまえば、独自の魅力を失い人気も落ちてしまう、ということで難しい舵取りが強いられます。 また、「103万円の壁」の引上げが若い人に人気だと言いますが、これはやはり高所得者優遇の面が強いですし、そもそも大学生がバイトをしなくてもいいように、学費無償化などを実現する道含めて議論してほしいですね。 ■『与野党の幹事長会談』について「みんなの声」は NEWS DIGアプリでは『与野党の幹事長会談』について「みんなの声」を募集しました。 Q.与野党の協議本格化へ あなたが求める法案は? 「『政治とカネ』に関する法案」…35.4% 「電気・ガス代の値下げなど支援策」…32.7% 「『年収103円の壁』引き上げなど」…17.4% 「選択的夫婦別姓に関する法案」…6.9% 「防災庁を創設する法案」…4.8% 「その他・わからない」…2.8% ※10月31日午後11時12分時点 ※統計学的手法に基づく世論調査ではありません ※動画内で紹介したアンケートは1日午前8時で終了しました
<プロフィール> 斎藤幸平さん 東京大学准教授 専門は経済思想 社会思想 著書『人新世の「資本論」』が50万部突破
TBS NEWS DIG Powered by JNN