【エプソムカップ・レース回顧】復活Vレーベンスティールに残された「課題」 9番人気馬の2着〝激走〟を検証
[GⅢエプソムカップ=2024年6月9日(日曜)3歳上、東京競馬場・芝1800メートル] 【渡辺薫&柏木集保 私たちはこう見た】 渡辺 勝ち時計は歴代と比べても速いが、同じCコースのむらさき賞(5月26日)でジェイパームスが1分44秒8(良)、上がり33秒9をマークしている。今日は時計の評価に困るな…。 柏木 勝ったレーベンスティールは新潟大賞典ではイレ込みが敗因のひとつだった中で今回もパドックで激しくイレ込んでいたのですが…。それでも勝ち切るのは偉いと感心しました。 渡辺 数字こそ疑問符とは言ったが内容は格が違ったな。59キロで2馬身差というのは立派だな。 柏木 道中11秒5ぐらいのラップが続くのは時計が一番速くなる展開です。それでも時計は上々といえるでしょうし、イレ込みを見て嫌な予感はしましたが杞憂に終わりましたね。 渡辺 東京コースのこの距離が一番合うんじゃないかな。ただ、気性面が今後の課題になりそうだな。 柏木 負けた組の話に移りますが、今回も含めて4年連続で馬券内に4~5歳しか来なくなって、いわゆる〝おじさん〟たちの好走が少なくなりました。 渡辺 2着のニシノスーベニアは千六オンリーかなと思っていたけど、先行した中でもう一度ゴール前で伸びていたし成長力を示したな。 柏木 勝ち馬と対照的にパドックでやけに落ち着いていて怖いかなと思っていました。デキの良さの裏返しでしたね。 渡辺 ダービー卿CTで4着して、今日のこの結果ですからまさに上がり馬の充実といったところだろうな。4着のサイルーンらと比べても勢いの差だな。で、3着のシルトホルン。この展開の中ではよく踏ん張ったんじゃないかな。 柏木 今までは相手に恵まれていましたが、さらに強くなる可能性はありそうですね。9着ヴェルトライゼンデは差のない3着争いに絡んだとはいえ、今回は2度目の屈腱炎明け。危ない人気馬の様相でした。 渡辺 結局3着争いは勝ち馬と4馬身離されて競馬が終わったあとでの争いだったからなあ。17番人気ながら上がり最速タイ8着と奮戦したグランスラムアスクは評価できるが、今回3着以下の馬にとって重賞の壁は厚そうだな。 柏木 そうですね。やはりどう振り返っても、今日は勝ち馬が別格だった、のひと言に尽きるでしょう。 渡辺 全くもってその通りだな。
東スポ競馬編集部