中国で「サイゼリヤ」に行列ができる秘密、節約志向が追い風に、現地限定のメニューも
だが、経済成長が長く続いた中国本土では価格転嫁に対する消費者の許容度が大きく、景気悪化が言われるこの1、2年も値上げができている。 ニールセンIQが中国人消費者を対象に2023年7月に実施した調査では「今後、支出全体を厳しく管理する」との回答が43%、「最もお得な価格、より低価格の消費を目指す」との回答が37%に上った。 ■トリドールやワタミも中国再進出 コロナ禍に中国本土から撤退した丸亀製麺の運営会社であるトリドールホールディングスとワタミはこの春、相次いで再進出した。消費者の節約志向を意識し、トリドールは豚骨ラーメン「ずんどう屋」、ワタミは居酒屋店「三代目鳥メロ」と、グループの中で値頃なブランドを出店した(過去記事:丸亀製麺のトリドール「ラーメン」で中国に再挑戦)。
サイゼリヤは競争が激しい中国でも、デフレの日本で培った低価格と品質のバランスで客を引き付けている。ワタミとトリドールは後に続けるだろうか。
阿生 :ライター/浦上 早苗 :経済ジャーナリスト