【ローン】世帯年収600万円です。「5000万円の住宅ローン」は厳しいでしょうか? 夫婦とも「奨学金を返済中」です
住宅ローンを組むとき、審査に通ることばかりに注目してしまう家庭が多いのですが、大切なのは、将来にわたって返済し続けることが可能かを見極めることです。今回は、住宅ローンが負担にならない借入額の目安はいくらなのか、また、どのような点に注意して借入額を決めるのかについて考えていきましょう。 ▼住宅ローンは「繰上げ返済」すべき? メリットについて解説
年収600万円で5000万円の住宅ローンは組めるけれど…
住宅ローンを組む場合、多くの人が気にしているのが金利は何%なのか、毎月いくら返済しなければならないのか、ボーナス払いはいくらになるのかといったローン金利や金額、返済期間についてなのではないでしょうか。 大切なことは、住宅ローンが家計にどの程度の負担になるのかということです。そこで重要になってくるのが、住宅ローンの返済比率です。
返済比率は30%を超える場合は再検討しよう
返済比率は、年収に占める年間返済額の割合のことであり、総返済負担率(返済負担率)と呼ばれることがあります。 返済比率の計算式は、「年間返済総額÷年収×100」です。 なお、返済比率の上限は金融機関によって違いがあり、住宅支援機構のフラット35は年収400万円未満の場合30%以下、年収400万円以上の場合で35%以下、と定められており、民間の金融機関の場合は30~40%の範囲で金融機関ごとに決められています。 では、具体的な金額で考えてみましょう。 例えば年収600万円で年間の返済額が150万円の場合は、150万円÷600万円×100となり、返済比率は25%ですので、住宅ローンそのものは無理なく返済できる可能性は高くなりますし、審査も通る可能性は高いでしょう。 ただ、この金額はあくまでの税込み年収ですので、手取り額で試算するほうがより現実的です。 年収600万円から20%を引いた480万円が手取り額であった場合、480万円×30%(返済比率)で計算すると、年間返済額が144万円です。毎月の返済額は、144万円÷12ヶ月=12万円となり、毎月12万円返済に回すことができれば、返済比率の30%をキープできます。 しかし、前述のケースで問題になるのは奨学金の返済があるという点です。 ここまではあくまでも住宅ローンの借入金のみを基に計算してきましたが、奨学金の返済額も借り入れの返済であるため、その返済額も合算して、無理なく返済ができるのかを考える必要があります。 奨学金の返済額が月額3万円だった場合、144万円-(3万円×12ヶ月)で108万円となります。つまり、現実的に住宅ローンの返済に回せる金額は、月額9万円、年間で108万円です。 では仮に、ほかで借入がなくフラット35を利用して、年収600万円、融資金利年2.0%、元利均等返済、返済期間35年でローンを組む場合(ボーナス返済の設定なし)、5282万円まで借りることが可能です(※)。 一方で、奨学金の返済を続けながら、上記と同じ条件で借り入れた場合も見てみましょう。毎月の住宅ローン返済額を9万円でシミュレーションしたときの借入可能額は、2716万円となってしまい、無理なく返済できる金額をベースにした場合、希望額を借り入れることは厳しいといわざるを得ません。