安野ともこさんのおすすめ映画4選。「ファッションもまずは”人”なのだ、と映画から学びました」
登場人物のキャラクターづくりに重要な衣装や着こなしも、映画の注目ポイントです。名作から新作まで、おしゃれな人たちが推薦するファッションも見どころの映画とは。今回はデザイナー兼スタイリストの安野ともこさんにお話を伺いました。 【画像一覧を見る】
PROFILE
安野ともこ/やすのともこ ジュエリーブランドCASUCAと下着ブランドCASUCA HADAのクリエイティブディレクター。最近、カンヌ、トロント、N.Y.と各国の国際映画祭にスタイリストとして同行。それ以来、「劇場で観る映画」の再活性化を切に願っているそう。
安野ともこさんのおすすめ映画4選
安野ともこさんが松雪泰子さんの衣装を担当した『フラガール』では、「1シーンを日をまたいで撮影する場合、巻いているスカーフひとつでも前日の巻き方と柄の見え方まで忠実に再現するという繊細さを学び、役柄に合わせて大好きな60年代のヴィンテージ服を直して作ったりと再構築できたことが感激でした」といったエピソードも。『人生、いろどり』では、「最初は質素でも、気持ちが高揚してくるシーンになると服に色を添え喜びを表現しました。生きがいを見つけたことで自分がいつしか魅力的に変化してるって素敵なことですよね」。服の色味も心を映す大切な要素のようです。 一方、観る立場でファッションが印象に残った映画では、まず、トーキング・ヘッズの『ストップ・メイキング・センス』(1984年製作。4Kレストア版が2023年全米公開)。「観た当初は衝撃が大き過ぎて思考停止でしたが、今、観直すと、デビット・バーンの、あのビッグショルダー・ジャケットも動きも構成もすべてがファッショナブル」といいます。 また最近の作品では、「『ファッション・リイマジン』はドキュメンタリーとは思えない構成力で、服を作る舞台裏とその事実を教えてくれました。『うつろいの時をまとう』は、デザイナーの堀畑さんと関口さんの服づくりに対する真摯な姿勢に迫った、素晴らしい作品です」とドキュメンタリーをリコメンド。そして最近最も感動した映画『さよなら ほやマン』では、松金よね子さんのファッションに対するリアルなさじ加減を絶賛。