【MotoE第5戦オランダ大会】レース1は、転倒とペナルティ続出の展開に
こうしたレース展開で、オスカル・グティエレス選手の表彰台は印象的なものでした。今季、MotoEにフル参戦を開始したグティエレス選手は、レース1では3番手でゴールし、ザッコーネ選手の失格によって2位を獲得。レース2でも2位を獲得しました。どちらも4列目11番手という後方から追い上げ、ポジションを上げてポディウムを獲得したのです。 電動バイクレースで争われるMotoEは、内燃エンジンのバイクのレースとは異なる走り方、そして非常に短いレース周回数(今回のオランダ大会は7周で行なわれました)で争われます。参戦1年目のMotoEルーキーは苦戦することが多いのですが、グティエレス選手は今季の序盤からオランダ大会までに、すでに1勝を含む6度の表彰台を獲得しています。 グティエレス選手はレース1後のパルクフェルメのインタビューで、こう答えています。 「昨日はちょっと難しい日だったので、今日ここにいられて嬉しいよ。でも、トップ争いができるペースがあるのはわかっていたんだ。1コーナーはちょっとしたカオスでクレイジーだったけど、うまく切り抜けたと思う」 なお、レース1で2番手でゴールしながらも失格になったザッコーネ選手は、レース2で見事に優勝を飾り、オランダ大会での速さを結果に結びつけました。レース2は2位がグティエレス選手、3位はガルソ選手が獲得しています。 MotoE第6戦ドイツ大会は、MotoGP第9戦ドイツGPに併催で、7月5日から6日にかけてザクセンリンクで行なわれます。 ■FIM Enel MotoE World Championshipとは 2019年にスタートした電動バイクによるチャンピオンシップ。2019年から2022年まではWorld Cup(ワールドカップ)として開催されていたが、2023年よりWorld Championship(世界選手権)となった。MotoGPのヨーロッパ開催グランプリのうち数戦に併催され、各土曜日に2レース開催で全8戦16レースが行なわれる。バイクはドゥカティ「V21L」のワンメイクで、タイヤはミシュラン。9チーム18名のライダーが参戦している。
伊藤英里