18歳選挙権初の政権選択選挙 どう投票先を選べばよい? ── 識者に聞く
18歳選挙実施後、若者の意識は向上している
── 昨年に選挙年齢が引き下げられ、どのような影響があったか 学校現場で、主権者教育が行われるようになったことで、若者は選挙に行かなくちゃいけないという意識が高くなったと思うし、投票についてもちゃんと考えてやろうと思っている。学校では架空の選挙公報を見比べたり、実際の選挙でもしっかり候補者を見比べて考えたりというのを教育現場で指導するようになったので、事前に色々調べて投票に行こうという思いは強い。ただ、それがゆえに考える途中で考えるの無理、やめた、となるパターンも見られる。考える時間がなかったので投票いけません、調べるのが大変になっちゃったので投票に行くことを先送りにします、と言ったりする。それはすごくもったいないと思う。 ── 情報はどうやって手に入れていることが多いか テレビで情報を得る、という回答が多いという調査結果はあるが、あくまでもそれは主体的なものではない。次いでインターネットで調べるというのが多いが、インターネットの場合は主体的に調べていることが多いようだ。ただ、候補者のホームページを見たり、Twitterを見たりといった程度ではある。 Twitterで候補者をフォローしたらよいと思うのだが、フォローするとその候補者を支持していると思われるのでフォローしたくない、という人は多い。政治に対する意識は高まっているが、友達と話をするということについては、やっぱりまだタブーだと思っている。1年前、18歳選挙が始まるタイミングで、全国色々な会場でイベントをやったが、誰に投票するか友達に相談してもよい、という〇×クイズで、どの会場でも7、8割が×と答えていてまずいなと思った。授業であればたくさん話すし、それで面白かったとアンケートにも書いてある。でも次の日から休み時間で話が出るかとか、こういう選挙で友達と話すかというと、その辺りの行動は変わっていない。すごく悩ましい。 ── 22日までの間、投票に行く以外で若者ができる政治参加は何でしょうか まず、友達や知り合いと気軽に今回の選挙について、話をしてほしい。今回の衆院選のテーマはコミュニケーションだと思っている。多くの人が、「なんか解散した、政党かわっちゃった。よくわからない」で止まっている。そこで止まっていたら面白くないから、なんでだろうという切り口でいいので、だれかと積極的に話をしてほしい。 (取材・文/高山千香)