26歳・毎熊晟矢はなぜ“欧州初挑戦”で上々のスタートを切れたのか。冷静に引き出した「ゲームを落ち着かせる時間」【現地発】
若きAZ守備陣を右サイドからリードする
開幕のアルメレ・シティ戦、今回のNEC戦と、AZは2試合連続1−0の完封勝利を手にした。AZが僅差でクリーンシートの勝利を飾っている要因はなんだろうか? 「若い選手がとても多くて、ハードワークする選手が多いですし、球際の部分でもすごく戦える選手が多いので、そこがひとつの要因だなっていうのは思います」 NEC戦の守備陣はGKオブス・オドゥロ(20歳)、DFワウター・フース(20歳)、ペネトラ(22歳)、デイビッド・メラー・ウォルフェ(22歳)。開幕節は若さゆえに退場処分を受けてしまったが、マキシム・デッカー(20歳)がフースとCBを組んだ。 渡欧1年目とは言え、プロの経験豊富な26歳は、若獅子たちをどう引っ張っているのか? 「オランダに来てサッカー自体の展開がけっこう速いなと思っている。ボール保持のときですけれど、急ぎすぎずに自分たちの時間を作るっていうことを、僕はすごく意識しています。若い選手はどんどん自分をアピールしなきゃいけないと思いますし、ガンガン行きたいと思うので、そこで自分は『少しゲームを落ち着かせる時間もあればいいな』と思いながらプレーしています」 AZへの移籍がまとまりかけた頃から、セレッソ大阪の理解もあって、毎熊はオランダに行くことを念頭に置いた調整ができた。AZに入団してからは、「みんな、僕がどういうプレーをするのか全然分からなかったと思うので、まずは自分を知ってもらうことを意識した」という。こうした古巣の配慮と、自身の積み重ねによって毎熊は開幕から2試合続けてチームの勝利に貢献している。 「結果にこだわりたい。この2試合、得点に直接関わってないですし、ゴールとアシストをすごく意識してやりたい」 幸先良いスタートを切った毎熊。しかしシーズンはまだ長い。これからさらにオランダリーグが誇る快速アタッカー陣との対決が待ち受けている。ヒリヒリするようなデュエルに期待しつつ、今後の毎熊を追うことにしよう。 取材・文●中田 徹
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