対人地雷の「再び高まる脅威」懸念 国連事務総長 米の供与発表後
【AFP=時事】国連(UN)のアントニオ・グテレス事務総長は25日、カンボジアで開幕した対人地雷禁止条約(オタワ条約)に関する国際会議に宛てた声明の中で、対人地雷の「再び高まる脅威」について強い懸念を表明した。 【関連写真】「地雷のない世界」を目指す国際会議の一環で行われた地雷禁止を求めるデモ 対人地雷をめぐっては米国が先週、ロシアの侵攻を受けるウクライナへの供与を発表したばかり。 グテレス氏は世界で進められている地雷の除去および破壊の取り組みを称賛した上で、「しかし脅威は依然、残っている。一部の条約締約国による対人地雷の使用再開や、地雷を破壊するという約束を履行していない締約国があることなどだ」と述べた。 同氏はさらにウクライナを含む締約国164か国に対し、「義務を果たし、条約を確実に順守する」よう呼び掛けた。締約国にはロシアと米国は含まれていない。 米国のバイデン政権は、トランプ次期政権に移行する前にウクライナに優位性を与えることを目指している。 同会議に出席中のウクライナ代表団は、米国の地雷供与に関するAFPの質問に答えなかった。ただ、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、ロシアの攻撃を阻止するために地雷は「非常に重要」と述べている。 NGOの国際連合「地雷禁止国際キャンペーン(ICBL)」によると、地雷や不発弾などによる世界の被害者は昨年、少なくとも5757人に上り、うち1983人が死亡した。記録された犠牲者の84%は民間人だという。【翻訳編集】 AFPBB News