NY連銀総裁、金融政策が景気を抑制している「証拠は十分ある」
(ブルームバーグ): 米ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁は、今年下期にインフレ率の低下が続くとみていると述べた。借り入れコストの高止まりが経済を抑制しているとの見方も示した。
インフレ率は依然として高過ぎるものの、金融政策は良好な状態にあり、需給の不均衡は是正に向かっていると同総裁は述べた。
ウィリアムズ総裁は30日、エコノミック・クラブ・オブ・ニューヨークで講演。「経済は時間の経過とともにバランス改善に向かっており、米国外でのディスインフレが世界的なインフレ圧力を弱めている。インフレは今年後半に沈静化を再開すると予想している」と述べた。発言内容は事前原稿に基づく。
「この1年の経済動向から、金融政策が景気抑制的であり、われわれの目標達成を助けている十分な証拠が得られた」とウィリアムズ総裁は述べた。
最近の物価データについては、インフレが低下に向かわなくなったサインだとは受け止めていないと発言。今月中旬には金融政策が良い状態にあるとしつつ、インフレ率が目標に近づくというもっと強い確信が必要だと述べていた。
NY連銀総裁、政策スタンスを変更する理由は今のところない-報道
この日発表された経済統計では、1-3月(第1四半期)の米経済成長率が下方修正された。31日には連邦準備制度理事会(FRB)がインフレ指標として重視する個人消費支出(PCE)統計が発表される。
米GDP、1-3月は1.3%増に下方修正-個人消費の伸び鈍化 (2)
ウィリアムズ総裁は前年比でのPCE価格指数が年末までに2.5%近辺に低下し、来年さらに2%に近づくとの見通しを示した。失業率は年末時点で4%前後に達した後、3.75%に向けて低下する見通しだという。
インフレ率の低下ペースが当初予想より鈍いことから、高金利をより長期維持する可能性が高いとの示唆がFRB当局者から相次いでいる。次回の米連邦公開市場委員会(FOMC)会合は6月11ー12日。フェデラルファンド(FF)金利誘導目標は5.25ー5.5%に設定されている。