ご訪英で在留邦人らに高まる期待 「陛下ー!」と街頭で歓迎の声も 天皇、皇后両陛下ご訪英同行記(2)
天皇、皇后両陛下の英国ご到着から一夜明けた23日午前、取材の空き時間に、25日の公式行事の会場となるロンドン、バッキンガム宮殿へと続く「ザ・マル」と呼ばれる大通りを訪れた。この日は日曜日。観光客に人気の宮殿の恒例行事、「衛兵交代式」の時間とも重なり、通りは大勢の人でにぎわっていた。 【写真】英国に在留する日本人代表らと面会される天皇陛下 ■「両国の距離近づける」期待と歓迎 通りの両側には、両陛下のご訪問に合わせて日英の国旗がずらりと並び、その近くで記念撮影する日本人らの姿も多見られた。 10年以上英国で暮らしているという会社員の男性(46)は、両陛下の来訪に「日本人としてうれしい」と笑顔を見せ、「ご訪問が、両国の人々の距離感を実感としても近づける機会になれば」と期待を寄せた。 英国人の夫と結婚して日本から英国に移り住んだという40代女性も、ご訪英が「とても楽しみだった」と話し、日英の国旗をバックに記念撮影。女性は、チャールズ国王とキャサリン皇太子妃ががん治療を公表していることに触れ、「英王室も大変な時だが、両陛下のご訪問を温かく迎えてくれていると感じる」と感慨深げだった。夫は、「日本の天皇皇后はオックスフォード大に留学していたと妻から聞き、好感を持っている」と話した。 ■王室がある国「うらやましい」 一方、通りの周辺には、さまざまな国籍の観光客も集まっていた。ハンガリーから家族で訪れたという女性からは逆に、「日本の旗があるが、誰か来るのか」と尋ねられた。両陛下のご訪英を伝えると、納得した様子で、「王室や皇室は、たとえ政治的に難しい関係にあるときにも、国と国、人と人とをつなぐことができる。王室がある国を、うらやましいと思うこともある」と話した。 25日、両陛下は国王夫妻とともに、この大通りを馬車列でパレードされる予定だ。そのお姿は、現地に住む日本人や英国人、そして世界中から訪れた人々の目に、どのように映るのだろうかー。通りを歩きながら、そんな想像を巡らせた。 ■在留邦人と面会、思い受け止められ