テニスに似た新スポーツ「パデル」、夏前には東京初のコート誕生へ
THE PAGE
埼玉県内のコートで初めて「パデル」という聞き慣れない競技を体験したのは、昨年春のことだった。テニスに似たラケット競技で、40年ほど前にスペインで誕生して以降、他の国々にも広まりつつあり、日本でも東京都内初の競技用コート建設の計画が進行しているのだという。
ラリーが続きやすいテニス?
テニスに似ているというだけあって、コートの真ん中にネットがあったり、ポイントの数え方が同じだったりなどの点では同じだが、対戦形式はダブルスのみ。テニスコートより少し小さめのコートは、強化ガラスと金網に囲まれていて、それらにボールがバウンドした後でも打ち返すことができる。 ラケットの柄はテニス用より短い。手のひら感覚で扱えることから、初心者でもボールに当てやすい。フェイス面はガットではなく板状なので、どこに当たってもボールは大体真っ直ぐに飛ぶ。 はじめはあまり乗り気でなかったが、いざプレイを始めると、ラリーが続きやすいことや、初心者が上級者と試合をしても十分楽しめることなど、テニスにない楽しさがあり、次第にこのスポーツのとりこになった。 レンタルコート事業などパデルの関連事業を営む「Padel Asia」社長の玉井勝善氏は、パデルとの出会いをそう振り返った。 「テニスの場合、初心者が試合を行えるまで、週1回のレッスンを経ても大体1年かかりますが、パデルなら早ければ1時間程度の練習で試合ができるんです」と、この競技の魅力を語る。
ビジネスとしての可能性「フットサルと同じ匂い」
この玉井氏、プロのテニスプレイヤーを目指していたほどの腕前。一度は、IT企業を設立し、15年間にわたって社長業を続けてきた。2015年のある日、知り合いから「パデル」の存在を教えられ、「いつかテニスに関わるビジネスを」という思いが募り、パデルを普及させたいと思いも合わさって社長を退き、新たに「Padel Asia」を設立したのだという。 日本パデル協会によると、スペインやアルゼンチンなどで急速にパデル人口が拡大。現在は21か国でパデル協会が存在し、2年に1度のワールドカップも開催されている。日本には、2013年に上陸しており、大きなビジネスチャンスがあると確信したわけだ。 「一気に広まったフットサルと同じ匂いを感じたんです。フットサルは、人気スポーツのサッカーと同系列の新スポーツでした。パデルも人気のあるテニスと同系列ですから」。