「心情的な原因」でこじれてしまうことも多い、ハマってからではもう遅い「相続の落とし穴」4つ
A.「いつから」「何に」を明らかにするのがポイントです。 一部の相続人による財産管理は、被相続人の死後に「勝手に使っただろう」とネコババ(横領)を疑われやすく、トラブルのもととなります。 これは使途不明金問題と呼ばれており、特に争われやすいのは、「いつから財産管理を開始したか」「払戻金を何に使ったか」という点です。 財産管理を開始した時期以降の出金について説明を求められるため、その時期がいつかということは、財産管理をしていた相続人にとって非常に重要なポイントとなります。
そのため、通帳や届出印、キャッシュカードなどを預かった時期について、被相続人にメモを作成してもらう、日記やスケジュール帳などに記載しておくなど、証拠を残しておく必要があります。 また、被相続人に付き添って金融機関へ行き、出金することもあるでしょう。金融機関の窓口で出金する場合、払戻請求書に記入しますが、この際に可能な限り被相続人に記入してもらいます。 金融機関によっては払戻請求書の写しを提供してもらえるため、もし「勝手に出金した」と主張されても、被相続人の筆跡のある払戻請求書があれば説明しやすくなります。ATMで出金する場合は、被相続人の通帳や日記などに記入してもらうなどの方法を検討するといいでしょう。
お金の使途を説明できないと、被相続人のために支出したと認められない可能性があります。そこで、領収書やレシートなどの資料をノートに貼るなどして、できる限り保存しておきましょう。冠婚葬祭の際の出費など領収書やレシートのないものについても、日記やスケジュール帳、ノートなどに記載しておくことが望ましいです。 相続人がATMで出金してきて、払戻金を被相続人に手渡すというケースもあります。その場合は払戻金の使途を知らないこともあるでしょうが、出金額が大きいときはこれが落とし穴になることもあるので、被相続人から使途を確認して記録しておきましょう。