「丸川珠代」をいじったテレ朝、「石丸伸二」参戦のフジ、「池上彰」不在のテレ東…テレビマンが見た民放「選挙特番」の勝者
10月27日に投開票された第50回衆議院議員総選挙。結果は与党が大方の予想を上回る大敗となったが、各局の選挙特番にも番狂わせが……。 【写真10枚】「そりゃ落選するわ」「2人で1800万円以上の不記載って……」夫婦ともに戒告処分を受けた、“丸川珠代”夫とのツーショット写真 仲むつまじく手をつなぐ様子も ***
民放トップに躍り出たのはテレビ朝日の「選挙ステーション2024」で、世帯視聴率は19時54分からの「第1部」が9・6%、21時からの「第2部」が9・7%となった(ビデオリサーチ調べ、関東地区:以下同)。前回の国政選挙となる2022年の参院選では、日本テレビ「zero選挙」が9・4%(19時58分~21時)を獲得。これが民放の選挙特番では最高視聴率だったが、前回を上回る数字となった。 2位以下の選挙特番の世帯視聴率は以下のように報じられた。 ●日テレ「zero選挙」19時58分~21時【8・7%】 ●フジテレビ「LIVE選挙サンデー超速報SP」21時~【8・3%】 ●TBS「緊急W中継 日本シリーズ×選挙の日」18時3分~21時32分【6・9%】 ●テレビ東京「集まれ! 選挙ライブ」19時50分~20時【3・7%】 民放プロデューサーは言う。 「実は個人視聴率で見ると、テレ朝が5・7%に対し日テレは6・0%。さらに、コア視聴率(13~49歳の個人視聴率)で見ると、Wスコアに近い数字で日テレが上でした。いかにテレ朝が若い視聴者に見られていないかを示す結果となったのです」
日テレが自滅?
テレ朝はシニア層にしか見られていないとは言われていた。それを意識したのか、今回の選挙特番では30歳未満の若者の声を調査し分析したAIコメンテーターの“エレク”を導入した。 「大越健介キャスターが『エレク!』と話しかけたりしていましたが、あまり効果はなかったようです」 その代わり、番組の冒頭、真っ先に速報したのが元テレ朝のアナウンサーで自民党候補の丸川珠代氏の落選で、『報道ステーション』の“熱盛”よろしく裏金を意味する“裏”の烙印を彼女の名前に押していた。 「思い切ったことをしましたね。それが功を奏したのか、与党過半数割れという大勢が決し、開票速報から各党首脳陣への中継インタビューへと変わる21時以降は様相が一変しました。テレ朝の第2部の世帯視聴率は9・7%(個人5・6%)と安定していましたが、ライバルの日テレは6・4%(個人3・9%)と失速したのです」 どういうことだろうか。 「日テレはメインMCの藤井貴彦アナが『開票速報をzero選挙史上、最大のボリュームでお伝えします』と言っていましたが、櫻井翔とのコンビで淡々と開票速報を伝えるばかりで地味でした。インタビューも櫻井が日本保守党から出馬して当選した河村たかし氏にツッコまれてしどろもどろになるなど、選挙特番としての面白味も足りなかった。日テレも裏金候補に“ウラ金”マークを入れていましたが、“裏”の烙印のほうがわかりやすかったかもしれません」 時刻が遅くなるにつれ勢いを増したのがフジだったという。