【インタビュー】中日・松山晋也 成長途上のセットアッパー「今年は今年でまた1日1日を積み上げるだけ」
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中日・松山晋也
背負い投げのような豪快で独特なフォームから、威力抜群の真っすぐと落差の大きなフォークを投げ込む。見ているファンにも気持ちが伝わってくる熱いピッチング。育成入団から勝利の方程式を担い、そして侍ジャパン入り。異例の“スピード出世”を果たした頼れる右腕の素顔に迫る。 取材・構成=牧野正 写真=井沢雄一郎、桜井ひとし 2年目のスタートは最悪だった。3月29日に行われたヤクルトとの開幕戦(神宮)は3対2と1点リードの8回に登板。しかし4失点を喫して敗戦投手となった。翌30日の同カードも1対0と同じく1点リードの展開で8回のマウンドに立ったが、1失点で同点に追いつかれてリベンジに失敗。開幕2戦目にして勝利の方程式から外れることになった。しかしそのままズルズルと沈んでいくことはなく、強い危機感とともにはい上がってきた。配置転換となった4月4日の巨人戦(バンテリン)から12試合連続無失点。結果で8回のマウンドを取り戻した。絶対的守護神でもあるライデル・マルティネスとの剛腕リレーは現在、無双状態だ。 ──嫌なことからお聞きしましょう。残念ながら開幕から2試合続けて抑えることはできませんでした。どんな気持ちでしたか。 松山 開幕戦はチームに負けをつけてしまったということに関して責任を感じていますし、翌日も同じようにいい場面で起用してもらったにもかかわらず、同点に追いつかれてしまったことは本当に申し訳なかったと思います。ただ、自分の中で危機感も覚えましたし、それ以外でもいろいろと感じられた部分もあったので、それも大きかったです。ここからが大事だと思いました。 ──開幕戦は不運もありました(先頭打者の村上宗隆の遊飛をクリスチャン・ロドリゲスが捕球できず。数日後に失策から安打に記録訂正)。あれを捕っていれば、その後の展開も変わっていたかもしれません。 松山 でも、それは結局、打たれた僕が悪いので。大塚さん(大塚晶文投手コーチ)からは、ああいうところで踏ん張らないと、ここからだぞ、という話をいただきました。平野さん(平野佳寿、オリックス)には自分から連絡して、いろいろと相談させていただきました。 ──気持ちの切り替えはできたと。 松山 まず反省は絶対に大事で、あとは次の日の取り組みですよね。そこをしっかりとやること。その日のうちに気持ちは切り替えるというか、終わらせるようにしています。 ──まだ2年目ですが、その切り替えはうまいほう? 松山 そうですね。そう思いますけど、でも結局、次に抑えるまで、本当の意味で気持ちを切り替えることはできないと思います。マウンドでやられたことはマウンドでしかやり返せない。そこで抑えて、ようやく気持ちが吹っ切れるのが投手だと思います。 ──心ない誹謗(ひぼう)中傷もあったとか。 松山 確かにありましたけど・・・
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週刊ベースボール