ムーディーズ、サウジ格付けを引き上げ 脱石油依存政策を評価
[22日 ロイター] - 米大手格付け会社ムーディーズは22日、サウジアラビアのソブリン信用格付けを従来の「A1」から「Aa3」に引き上げた。経済構造を石油輸出依存から多様化へ移行する政策的取り組みを評価した。 実力者ムハンマド王子が掲げる経済構造改革「ビジョン2030」では数十億ドルが投資され、観光やスポーツ、製造業などの産業活性化に向けたインフラ強化を進めているほか、着実に計画を進展させるため外国資本の導入にも熱心だ。 ただ、国際的な原油価格の下落とサウジの減産により政府の歳入は減っており、ビジョン2030の一部が見直され、延期や縮小される見通しとなっている。 格付けの中期的な見通しについてムーディーズは「ポジティブ」から「安定的」に下方修正した。世界経済の状況や石油市場の動向の先行き不透明感を要因に挙げた。 同社は「(脱石油依存と経済多様化への)継続的な取り組みにより、石油市場動向と長期的な脱炭素経済への移行に伴う影響は徐々に弱まるだろう」と指摘している。