投資初心者なら知っておくべき!株価の下落相場を乗り切るための4つの手法
ベア型ETFの注意点 実は2点目の「ベア型のETF」は、それほどお勧めはできません。なぜなら日経平均株価などの株価指数と個別銘柄の値動きは異なることが少なくないからです。例えば、保有株が値下がりするのをヘッジするために日経平均株価に連動するベア型ETFを買ったとしましょう。 最悪のケースは、保有株が値下がりを続けているのになぜか日経平均株価は上昇する、というものです。こうなると、保有株でも損失、ベア型ETFでも損失というダブルパンチとなります。そこまでにはならなくとも、保有株が大きく値下がりする一方で日経平均株価はあまり値下がりしない、ということになれば、保有株の値下がりのヘッジ手段としてはあまり役に立たなくなります。 もちろん、保有株の値下がりヘッジ目的ではなく、純粋に日経平均株価が値下がりすることで利益を上げることが目的であれば、ベア型ETFへの投資も悪くありません。あくまでも、個別銘柄を保有しつつ、かつその銘柄の値下がりのヘッジのためにベア型ETFを買うことはお勧めしないということです。 ベア型ETFへ投資するためには当然ながら資金が必要となります。個別銘柄を保有し、さらにベア型ETFを買うとなればより多くの資金を準備しなければなりません。ですから筆者は、保有している銘柄の株価が値下がりしているにもかかわらず保有を続けるのではなく、下降トレンドになった時点で速やかに売却して現金化することが、損失拡大に対する最大のヘッジだと考えています。 ●ヘッジ手段 ヘッジとは「回避」を意味し、保有する株式の損失拡大に備えて信用取引や先物・オプション取引などを使って損失回避策を取ること。 筆者も実践! 初心者の下落相場の戦い方とは? 初心者でもできることといえば、「ポジション管理」と「利益確定のタイミング」です。「ポジション管理」は、筆者は投資対象として日々株価をウォッチしている銘柄のうち、どのくらいの割合の銘柄が上昇トレンドにあるか、下降トレンドにあるかにより調整しています。 例えば、ウォッチ銘柄のうち80%が上昇トレンドにあれば投資資金のうち80%を株式へ投資し、上昇トレンド銘柄が10%しかなければ株式投資の比率を10%に抑える、というようにします。これにより、自然と攻めるべき時に攻め、守るべき時に守ることが可能となります。 4点目の早めの利益確定については、例えば、買い値から10%上昇したら売却したり、5日移動平均線を割り込んだら売却、としている人も多いようです。ただし、この方法を取ると、売却したあとにさらに株価が上昇した場合、その上昇を取り逃すことになる点を理解したうえで実行してください。 また、1点目の空売りは初心者の方には抵抗があるかもしれません。でも下落相場で積極的に利益を得るために空売りをマスターしたい、という方はぜひチャレンジしてみてください。株を買うことで利益を上げるためには、当然株価が上昇していかなければなりません。 ですから、下落相場で株を買って利益を上げること自体が非常に困難なのです。でも空売りができれば、下落相場でも利益を上げることが可能です。空売りができることは、大きな武器を一つ手に入れることになります。「買い」と「空売り」、この2つを駆使して上昇相場でも下落相場でも利益を狙うことができれば、買いだけを行うよりも投資成績を向上させることができます。 お気に入りの会社の株を買い、株価が上がろうが下がろうがそれを持ち続ける……。株価がさらに下落する可能性が高い下落相場では、それは個人投資家が最も陥りやすい失敗です。最もやってはいけない「塩漬け株の発生」に直結するので注意しましょう。損失を減らしつつ、少しでもよいから利益を確保することができるよう、下落相場での戦い方、資産の守り方をぜひ押さえるようにしてください。
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