やる気をアテにする社会人は二流…17万人のデータでわかった「人事評価トップ5%社員」に共通する習慣
仕事のできる人に共通する生活習慣とは何か。企業の働き方改革を支援するクロスリバーの越川慎司さんは「トップ5%社員は仕事の初動が早い。やる気がなくても仕事が始められるように日々の行動をルーティン化している」という――。 【写真】越川慎司さん ※本稿は、マイナビ健康経営のYouTubeチャンネル「Bring.」の動画「運動・食事・睡眠の重要性を考える。『トップ5%社員』が実践する、生産性が上がる最高の健康習慣」の内容を抜粋し、再編集したものです。 ■睡眠不足ではいい仕事はできない 【澤円】優秀なビジネスパーソンの「健康習慣」について伺っていきたいのですが、それに先立って、まずは越川さんが代表を務めるクロスリバーで実践している健康習慣についてお聞かせください。 【越川慎司】全メンバーが、フルリモートで週休3日、労働時間は週30時間以内、7時間以上の睡眠を実践しています。 【澤円】そのような働き方を実践するきっかけは? 【越川慎司】わたし自身の経験もそのひとつです。クロスリバーを起業する以前の会社員時代、わたしはうつ病を患った経験があります。その原因は、睡眠不足でした。仕事や人間関係に悩んでうつ病になったわけではなく、仕事が楽しくてアドレナリンが出っぱなしの状態で働き続けた結果、睡眠が足りなくなりうつ病を患いました。そうなれば当然、仕事にも支障が出ますから、いい仕事をするためにも健康こそが最重要だと考えるようになったのです。 それに、わたしたちの会社の仕事は、企業の「働き方改革」支援です。ただ労働時間を減らすのではなく、限られた時間で成果を残せる働き方を提案するためには、われわれ自身も新たな働き方の実験をしないと信頼されないと考えたのです。
■時間の制約があると集中力が高まる 【澤円】週休3日で週30時間労働ということは、1日あたりの労働時間は7.5時間の計算ですね。これらの実践で生産性は高まったのでしょうか。 【越川慎司】ふたつの観点から生産性が高まったと思います。ひとつは、いわゆる「締め切り効果」です。「週に30時間しか働けない」という時間的な制約により、集中力やモチベーションが高まるのです。 もうひとつは、「そのような環境で働きたい」という人が増えていることです。当社のような小さなベンチャー企業の場合、採用が難しいのが実情です。でも、当社には他に「複業必須」というルールも設けていることもあり、個性的なキャリアを持つ様々な業種の優秀な人たちが集まるようになりました。そうして、生産性が高まったのです。 【澤円】「副業」ではなく、「複業」が必須なのですね。そこにはどのような意図があるのでしょうか。 【越川慎司】副業の場合だと、どうしてもメインの主業に比べるとただのサブの扱いになりがちです。でも、片手間でやるような仕事でお客様を満足させることはできません。ですから、ふたつの仕事のどちらも「主業」だと認識して本気で取り組んだうえで、各メンバーが持つ知見を組み合わせ、複雑な課題を解決することを目指しています。 ■仕事のできる人はやる気をあてにしない 【澤円】クロスリバー社のメンバーもそうだと思いますが、越川さんが分析した「トップ5%社員」の人たちには、健康習慣から生じる共通点のようなものはあるでしょうか。 【越川慎司】「①仕事の初動が早い」「②集中継続力が高い」という共通点が見られます。先に触れたわたし自身のうつ病経験からもいえますが、肉体的にも精神的にも健康でないと、いい仕事はできません。仕事の生産性を高めるには、礎として健康であることが必須だというのがわたしの考えです。では、なぜ健康な人は仕事の初動が早いのかといえば、ルーティンを持っているからです。 毎日一定時間以上の睡眠を確保しようと思うと、必然的に生活自体が規則正しくなり、日々の行動がルーティン化していきます。そして、優秀なビジネスパーソンは、そのルーティンに仕事に取りかかることも組み込んでいるのです。 トップ5%社員たちは、「やる気をあてにしない」とよく口にします。やる気があるときは仕事の取りかかりが早いけれど、やる気がないときはそうではないとなると、成果を出し続けることが難しくなります。だからこそ、やる気の有無に関係なく仕事に取りかかるルーティンを持っているのです。