駄菓子の争奪戦に民衆熱狂 救世主・マフディの誕生日を祝う イラン
テヘランの商店街を歩くと、あちこちの店先に人だかりができていた。アイスクリームやビスケットなどの菓子が人々に配られている。 この日は第十二代イマームのムハンマド・ムンタザルの誕生日。ムンタザルは、イスラム教シーア派の十二イマーム派によって信じられている世界最後の救世主(マフディ)でもある。毎年この日に、信者たちは菓子をふるまってマフディの再臨を祈る。 大きめの店で、店員たちが踏み台に上がり、箱から出した駄菓子を群衆に向かってばら撒いていた。大したものではないだろうに、我先にと手を伸ばした男たちで、押し合いへし合いの騒ぎになっている。 ここまでくるともう世俗的すぎて、救世主の誕生日という神聖さなどカケラもないが、まあ祭り事などそんなものなのかもしれない。所詮は目の前の利益にばかり踊らされるのが人間の性か、などと考えてしまうのは少しばかり皮肉が過ぎるかな。 (2014年6月撮影)