JAL特典航空券の予約開始日時が変更、国際線座席は全クラス一新
2024年2月2日発売の「日経トレンディ2024年3月号」 では、「得する!ANA&JAL最新旅行ワザ」を特集。日本航空(JAL)の国際線が激動期を迎えた。24年1月に1号機が就航した新フラグシップ機「A350–1000」は座席も一新。羽田運航便増、新路線開設などで、貪欲に海外旅行需要を奪い取る。 【関連画像】羽田の運航便数が成田を逆転 ※日経トレンディ2024年3月号より。詳しくは本誌参照 2024年4月に鳥取三津子氏が新社長に就任し、経営体制を刷新する日本航空(JAL)。初のキャビンアテンダント出身となる社長の下、成長戦略の中核となりそうなのが、24年2月2日に就航70周年を迎える国際線だ。23年5月に発表した「ローリングプラン2023」(中期経営計画)では、その国際線を拡大・成長させ、25年度までに事業規模を19年度比126%に成長させるとした。 JAL国際線の向こう十数年にわたる「顔」として期待されるのが、約20年ぶりの刷新となる新フラッグシップ機「エアバスA350–1000」。国内線では一足先に19年から「エアバスA350–900」が就航しており、強みとする静粛性は折り紙付きだ。 最大の進化は、全クラスで一新される座席だ。ビジネスクラスはJALで初めて扉を設置し、個室さながらの空間に。プレミアムエコノミークラスも大型パーティションでプライバシー性を強化するなど、意欲的な座席となっている。 A350–1000は、24年1月に初号機が羽田―ニューヨーク線で就航。2路線目は、羽田―ダラス(フォートワース)線と発表されている。5年程度かけて、現行の「ボーイング777–300ER」の13機をA350–1000に置き換える計画だという。 機材以外でも、国際線全体での利便性の充実は著しい。23年冬の運航ダイヤ改定で、羽田路線の運航便数はコロナ前の19年冬に比べ約1.5倍に。成田路線の運航便数を逆転した。また、24年3月には新たに羽田―ドーハ線が就航。ポイントは中東やアフリカなど、直行便が無いエリアへのアクセス向上だ。サウジアラビアや南アフリカへ向かう場合、従来のロンドン経由に比べ、10時間前後速くなる見込みだ。 「JALグループの国際線」という観点では、20年に商業運航を開始した中距離LCC(格安航空会社)のZIPAIR Tokyoも存在感を増している。「世界初の太平洋横断LCC」の名に違わず、航空券料金は北米4路線で他を圧倒。航空・旅行アナリストの鳥海高太朗氏は、「北米線は1強状態。今後もシェアを取り続ける」と断言する。25年度までに10路線に拡大する見通しで、JALグループ全体での国際線需要取り込みの一翼を担う。 国内線は19年にフラッグシップ機を前述のA350–900に刷新。23年4月には運賃制度を一新と改革を進めてきた。座席の当日アップグレードをアプリからも予約可能にするなど、利便性も向上させている。 航空券の買い方では国際線、国内線とも、予約開始日が360日前に統一された。いち早く特典航空券を取りたい場合などに注意が必要だ。国際線は、北米線などで既にあった券種の「Semi-Flex」の導入路線が増える。比較的手ごろな料金で、予約変更手数料がかからないのが特徴。日程変更の可能性があるときに、早めに押さえる航空券として有用だ。