【ラグビー】なぜ決勝が秩父宮?大阪でなく和歌山&三重?全国大学選手権の開催地/一問一答
日本ラグビー協会の岩渕健輔専務理事(48)が6日、17日に開幕する全国大学選手権の会場選定について経緯を説明した。 都内で開かれた理事会後に取材対応。同選手権については10月30日に大会概要が発表され、関東、関西勢が登場する3回戦は12月14日に東京・秩父宮ラグビー場と和歌山・紀三井寺公園陸上競技場で開催。準々決勝は同21日に秩父宮、翌22日は三重交通Gスポーツの杜鈴鹿が会場となった。 25年1月13日の決勝は例年の国立競技場でなく、秩父宮で行うことが明らかになっていた。 主な一問一答は以下の通り。 -決勝が国立競技場でできないのは、昨年までのサイクルでは予約ができなかった形か 「結論としては、そういうことです。今まで以上にさまざまな状況が変わってきている。(各競技が)試合を行いたいスタジアムが集中している。ラグビーの中の問題としては、大学、リーグワンの時期が重なる。最終的な結論としては『(協会が)もっとしっかりしなきゃダメでしょ』ということは、それはその通りです。一方で、それだけでない難しさも出てきています。それは言い訳ではなく、やはりカレンダーをどうしていくか。国内、代表戦、大学、高校、女子…。(別で)1つ難しい問題が出てきているのは、来年(25年)に女子の(15人制)W杯(イングランド大会)がある。日本が出場できますが、そこに向けた国内の日程と、男子の代表チームの日程が、かなり重なる可能性が出てきている。タイミング、スタジアムの問題もある。代表チーム、大学生、高校生も活躍すればするほど、どのスタジアムでプレーしてもらえるか。極力いいところでやっていただくための準備を、今まで以上にしていかなければいけない。日程そのものの見直しも、今後いろいろな意味で考えていく必要があると思っています」 「国立でやれる状況を作れる可能性もございました。当然、日程、タイミングの問題もある。国立でやることを優先して進めていましたが、今回は国立ではなく、秩父宮やることがベストと判断いたしました」 -これまでは国立でやれていたが、協会として、どのような判断を下したのか 「1月2日に準決勝があって、そこからどのぐらいの期間が空けば、ウェルフェアの問題で選手がコンディションを発揮できるのか。こういった観点でも考えました。今までと同じ日程でできるというのではなかったのは事実です。それでも国立競技場で進めるのか、違う形でやるのか。そういった観点で最終的に秩父宮ラグビー場でやるのが、今年度についてはベストな判断と、ラグビー協会として決断しました」 -従来の週から遅らせる選択肢はあったのか 「かなり期間が空けばウェルフェアの問題がなくなるのは、その通りです。一方で仮に3週間空けるのが望ましいのかというと、それは大学側の準備、さまざまな観点で、必ずしも望ましくないと考えて結論を出しました。一定期間があれば、ウェルフェア上の問題はなくなりますが、それ以外の問題が出てくることもあります。そういった観点で秩父宮ラグビー場でやるという結論に至っています」 -3回戦の紀三井寺、準々決勝を鈴鹿で行うことの狙いがあるのか。大阪などでの開催が難しかったのか 「両面あります。大阪ではリーグワン、大学生、高校生のゲームが続いてしまう。それ(花園)以外の大阪のスタジアムもいくつかありますが、大阪でやること、今回のように和歌山や鈴鹿でやること。当然、スタジアムの大きさは、大阪の方が花園以外を含めて大きいです。一方で鈴鹿、和歌山での大学選手権は初めてのケースで、テレビ放送も含めて前向きな観点もあります。そういったことから、今回の和歌山と三重に決定しました」 -「テレビ放送を含めて前向きな観点」というのは 「そちらのスタジアムで(大学選手権の)プレーをして、そこのスタジアムでの放送が初めてとなるので、それぞれ新しい地域で行うことは前向きに捉えています。当然『こちらの方がいいのでは』という議論もあると思う。そこは大学チームとも話をし、関西協会とも連携しながら進めています。当然、関西以外の場所で準々決勝をやるのもあり得る話。関東もそうですけれど、そういうことも考えていく必要があると思っています」 -今後は根本的な部分で会場選定を考えていく必要がある 「そうですね。繰り返しになりますが、全てのカテゴリーの選手が、いい環境でできることを、我々は考えないといけない。それが必ずしも例えば関東だったり、東京だったり、関西だったら大阪、ということではないと思いますので。当然『花園でやりたい』とか『○○でやりたい』というのは大事にしながら、どのエリアでどうやっていくのか。大学選手権をどうやって考えるのか。今後も考えていかないといけないと思っています」