「骨太の方針」PB黒字化は“一里塚” 歳出削減策の提示も徹底を 石川和男が指摘
政策アナリストの石川和男が6月23日、自身がパーソナリティを務めるニッポン放送Podcast番組「石川和男のポリシーリテラシー」に出演。政府が示す経済財政政策の基本的な考え「骨太の方針」の財政再建策について、「税収増の政策だけでなく、歳出カット策も示すべき」と持論を述べた。
毎年、政府が重要課題や翌年度予算編成の方向性など、基本的な経済財政政策を示す「骨太の方針」(正式名称「経済財政運営と改革の基本方針」)。今年は3年ぶりに国や地方の借金を削減していく財政健全化の目標「プライマリーバランスの黒字化」を掲げたことが焦点のひとつとなっている。 この「プライマリーバランス(PB)の黒字化」について、ゲスト出演した岩手保健医療大学理事で経済評論家の濵田敏彰氏は「PB黒字化目標の期限がこれまで10年以上先送りされてきたなか、今回達成の見込みがみえてきたのは、円安や物価上昇で名目GDPが上昇し、物価高と連動して消費税などの税収も増えて、何とか黒字になるんじゃないかということ」と現状を分析。そのうえで「PBの黒字化は、東海道五十三次を進むときの一里塚であって、“三条大橋”つまり、1100兆円に上る国の借金をどう解消するのかということが最終目的地。今後の金利上昇圧力にも備えなければならない」と指摘した。 また、石川は根本的に国の借金を減らしていくためには、聞こえがいい税収増の政策ばかりを掲げるだけでなく「支出のカット」にも大胆に臨むべきだと主張。濵田氏は「先進国ならどこでもやっている歳出への上限=キャップを設けるべき」と述べ、制限なき支出を補うために、無尽蔵に赤字国債を発行し続ける政府のやり方に釘を刺した。