天皇陛下とチャールズ国王、ユーモア交えスピーチ 晩さん会和やかに
バッキンガム宮殿で25日に開かれた晩さん会に、天皇陛下はホワイトタイに授与されたばかりの英国最高位「ガーター勲章」の青の大綬をつけて出席された。皇后雅子さまはティアラに白いロングドレス姿。会場には笑顔があふれ、和やかな空気に包まれた。 【写真まとめ】両陛下のイギリス訪問先 最初にチャールズ国王がスピーチ。何度も天皇陛下と見つめ合い、ユーモアを交えて会場の笑いを誘った。「多様な文化交流に励まされる思い」と話し、宮崎駿監督のアニメ映画「君たちはどう生きるか」のアカデミー賞受賞、「千と千尋の神隠し」のロンドンでの舞台上演などを紹介した。 また「今年50歳になる」「自らの力で起業家となり何十億ドルもの富を築いた」と独特の表現でサンリオの人気キャラクター「ハローキティ」を紹介。ハローキティはロンドン郊外生まれというプロフィルを持つ。国王は「(50周年の)お誕生日をお祝いしたい」と述べた。 留学中の陛下と一緒にフライフィッシングをした思い出も語り「最近はあまり釣りの成果があがっていない」と報告。人気アニメ「ポケモン」の主人公の決めぜりふを引用し「『全部ゲットだぜ!』は、私たちの孫の代にぴったりくるかもしれないが、私には高望み」と話した。 陛下は、英国で人気のSFドラマ「ドクター・フー」に登場するタイムマシン「ターディス」にからめ、ノーベル文学賞を受賞した日系英国人の作家、カズオ・イシグロ氏や父の石黒鎮雄(しずお)氏の研究が、北海の高潮予想の発展に重要な役割を果たしたことを紹介した。 留学した「思い出の地」のオックスフォードを語る際は、国王がケンブリッジ大の卒業生であることから「国王陛下の母校ではありませんが」と断りを入れると国王も笑い、親交の深さを感じさせた。 宮内庁によると、陛下と国王は「宇宙ごみ」を含む幅広い環境問題を巡る話題で盛り上がった。カミラ王妃はこの日に皇后さまから贈られた佐賀錦のハンドバッグを持って晩さん会の会場へ。皇后さまは、王妃が取り組む子どもや女性への支援活動の話に熱心に耳を傾けていた。両陛下は国王ががん治療を続ける中、温かく歓迎してくれたことに感謝しているという。【ロンドン山田奈緒】