レースの中継や馬券予想とは違った、競馬界の風景を知ってもらういい機会になったNHKの「100カメ」
◇中央競馬記者コラム「ターフビジョン」 先日、NHKの「100カメ」という番組でJRA栗東トレーニングセンターが取り上げられた。タイトルは「競馬トレセン 非公開の”馬の惑星”へ潜入!夢のGIレースに挑む」。トレセン内の気になる場所に100台の固定カメラを設置して人々の生態を観察するというドキュメンタリー番組で厩舎内での競走馬の様子や出走するレース選択など、なかなか見ることができない普段の様子が放送された。 もともとは昨年の5月ころ、JRAに企画の話があり、関係各所の協力に時間がかかったそうだ。無事に放送された週にトレセンへ行くと、テレビに映っていた厩舎の方が「見たよ」など声をかけられていたり、番組の話をしたりする関係者が多く、JRAからは「おおむね好評だった」とのことだった。 さらに関係者だけではなく、一般の方からの反響も大きかった。何せトレセン内部は公開されていないだけに注目度が高かったのだろう。JRAによると「トレセンの中が、こんな感じになっているとは知らなかった」「まさかテレビでトレセン内部を取り上げてくれるとは思っていなかった」などの声が寄せられているという。 地上波の競馬番組は競馬中継や馬券予想をするものがほとんど。それは仕方のないことだが、今回はほんの一部でもそれ以外の部分を知ってもらういい機会だったのではないかと思う。最近は暗い話題も多い競馬界。普段の取材はもちろんだが、競馬のいろいろな魅力がもっと多くの人に伝わるような機会が増えればと思う。 (東佑介)
中日スポーツ