大谷翔平は“制限つき”でヤンキース戦出場へ?「…だからドジャースはGOを出せた」左肩脱臼シーンを見た元MLBセラピストが“緊迫のベンチ裏”を考察
その瞬間、ドジャースタジアムは凍りついたように静かになった。ワールドシリーズでヤンキースに2連勝と好スタートを切ったドジャースだが、第2戦の7回裏、大谷翔平が盗塁を試みた際に左肩を痛めるアクシデント。今季もMVP確実のスーパースターが「左肩亜脱臼」を患い、にわかに暗雲が垂れ込めたように思えた。 【変わりすぎ写真】「ガリガリだったエンゼルス時代」→「大谷のう、腕が…“まるでハルク”」テレビに映らない”大谷翔平…悪夢の左肩脱臼でもWSスタメン出場!ナンバー撮影の現地最新カットで一気に見る しかし――現地10月27日の練習時、ドジャースのデイブ・ロバーツ監督は「今朝の状態はいい。彼自身が十分な状態だと感じるのなら、出場しない理由はない」と述べるなど、早期復帰への希望を感じさせる言葉を連発した。実際に28日、ヤンキースタジアムに舞台を移しての第3戦でも大谷の出場が有力視されている。激痛が伴うケガを負いながら、中1日でのカムバックは本当に可能なのか。フィールドに立ったとして、これまで通りの力を出すことは可能なのか。 元福岡ソフトバンクホークスの一軍トレーナーであり、ニューヨーク・メッツのセラピストとしても活動した小林睦宜(むつよし)氏に意見を求めた。〈以下、小林トレーナーの一人語り〉
ドジャースがGOサインを出せた理由
脱臼で起こるケガといえば、怖いのはインナーマッスルの腱板、関節唇、肩の靭帯という3つの箇所の損傷と痛みです。完全に脱臼となったらダメージが大きいので復帰は難しかったんじゃないかなと思いますが、大谷選手のケースは亜脱臼。外からの力で一度肩が外れたとはいえ、また元に戻っているわけで、ここで復帰させるのであれば、激しく損傷しているわけではなかったというのがドジャースの見解かと思います。 MRIを撮って、肩の可動域があるのかと、筋力的にもある程度の力が入ると判断されたのでしょう。ただ、長期契約を結んだ重要な選手でもありますし、今回は亜脱臼で、さらにそこまで組織的な損傷がなかったと確認できたからこそゴーサインが出たというのは間違いないと思います。 大谷選手本人も、これだったらいけるという感触を得たというのが一番大きいんじゃないでしょうか。トレーナーズルームでドクターが肩にいろんな角度で負荷をかけ、この角度はどうか、この角度ではどうなのかと不安定感がチェックされたはずです。打撃時だけではなく、ランニング時、腕を大きく振るといった動作をした際にも亜脱臼した部分に負担はかかりやすいと言われているので、その部分にどれだけ影響があるかというところも絶対に確認しているとは思います。それらを細かく評価をした上で、いけるという判断が出たのでしょう。 大谷選手が右打者だったら話は変わってきたかもしれません。右打者の場合、スイングのフォロースルーで左腕が上がり、なおかつ左手の掌が上に返るような形になってしまいます。そのような動作が肩にはかなり負担をかけます。 それが大谷選手は左打ちのため、フォロースルーの際に左肩が内側に入るため、一番リスクの高い肢位にはなりずらいのです。そう考えると、左打ちの大谷選手にとっては左肩だったのは幸いだったのだろうと思います。
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