2区は3人が区間記録更新、平林や篠原が目立たないほどのハイレベルな戦い…早大ОB武井隆次さんが解説
第101回東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝=読売新聞社共催)は2日、往路のレースが午前8時にスタートした。国学院大、青山学院大、駒沢大の「3強」の前評判が高い中、出場21チームが2日間、217・1キロの箱根路を駆け抜ける。読売新聞オンラインでは、早稲田大学時代に4年連続区間賞を獲得し、総合優勝も経験した箱根路のレジェンド、武井隆次さん(53)のライブ解説でレースを詳報する。(デジタル編集部) 【表】 2区を走った各選手の記録
「新・最強留学生」が評判にたがわぬ走り
中央大の溜池一太(3年)は大きくリードで先頭にいる分、モチベーションも高く、余裕のある走りを見せている。
その中央大を追って、国学院大の平林清澄(4年)と駒沢大の篠原倖太朗(4年)の競り合いを予想していたのだが、他のエースたちの力走で、ぜいたくな、見どころのある2区になった。
東京国際大のリチャード・エティーリ(2年)がごぼう抜きを見せた。同大の先輩のイエゴン・ビンセントを超えると言われる「新・最強留学生」の評判にたがわぬ走りだ。
篠原は初の2区でやや抑え気味。駒沢の2区は、卒業した鈴木芽吹君もそうだったが、飛ばし過ぎて後から大八木(総監督)さんに叱られているから、指示を守って走っていたのだろう。
エースの後半のコースマネジメントはさすが
1区と違って、後半に権太坂と戸塚の急坂という2つの難所を抱える2区はコース攻略が難しい。他のランナーの使い方も場面に応じて違ってくる。豪華メンバーとなった今年の2区、エースはさすがに後半のマネジメントがうまかった。
青山学院大の黒田朝日(3年)は当日変更で満を持しての2区投入。前半は後ろで少し心配になる走りだったが、権太坂を終わって一気に順位を上げ、「戸塚の壁」で駒沢大も抜いた。エティーリを振り向かせる猛プッシュを見せた。だが、それを上回る勢いで、創価大の吉田響(4年)も後半に猛烈に追い上げた。
2区は1時間6分台でもすごいのに、日本人では前人未到と言われた1時間5分台をエティーリと日本人2人の計3人が記録し、ビンセントの持っていた区間新記録を更新するレベルの高さだ。