「事故の風化より子どもが風化しちゃうのが怖いんですよ」ひき逃げ事件で息子亡くした父親 被告への憤りと葛藤…判決を前に遺族の思い
去年8月、富山県で19歳の大学生が亡くなったひき逃げ事件の判決が19日富山地裁で言い渡されます。息子を亡くした父親が語ったのは、被告への憤りと判決を前にした葛藤でした。 【写真を見る】「事故の風化より子どもが風化しちゃうのが怖いんですよ」ひき逃げ事件で息子亡くした父親 被告への憤りと葛藤…判決を前に遺族の思い ひき逃げで命を奪われたのは、大学生の山田翔向さん(19)。 父親 山田倫さん「私の中で過去になってなくて、遠慮なくいつでも帰ってきてって。帰ってきても不思議じゃないんじゃないかなとか思ったり」「本当は被告には真実を語って欲しかったんですよ。なんですけど現状それすら叶わないのかな」 こう語るのは翔向さんの父親・倫さんです。 翔向さんは去年8月17日午後11時すぎ、富山市婦中町響の杜の実家に帰る途中、クルマにはねられ病院に運ばれましたが、まもなく息を引き取りました。大学2年生、19歳という若さでした。 ■車を下取りに出し同じ型の中古自動車を購入… 翔向さんの死から10日後。ひき逃げなどの疑いで逮捕・起訴されたのは近くに住む富山市婦中町砂子田のアルバイト店員・横井徹哉被告(逮捕時69)です。 横井被告は富山市内の自動車販売店で「車を乗り換えたい」と言い、車を下取りに出し、同じ型の中古自動車を購入。 不審に思った店が警察に通報、警察が車を調べた結果、事件と関連が認められ、逮捕に至りました。 ■発見が遅れ人をひいた認識がなかったと主張 裁判がはじまったのは、去年12月。 初公判で弁護側は、事故の発生を警察に届け出なかった報告義務違反については認めたものの、横断歩道上に横たわっていた翔向さんの発見が困難だったこと、人をひいた認識がないことから、過失運転致死と救護義務違反については、無罪を主張しました。 一方、検察は、横井被告が車を時速50キロで走らせおよそ12メートル先で道路上にあお向けで横たわる翔向さんが見えたものの回避せずにひいたと主張。 これに対して、横井被告は…。 横井被告「直前になってマネキン人形のようなものを発見し、そのままひいてしまった。当時は前をきちんと見ていたが、それでも発見できなかった」
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